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私は南国の生まれだが、島独特の身内意識が苦手だった。
みな、家族と言うように馴れ馴れしいのが性に合わなかった。無意識に私は彼らとは距離を開けるように標準語しか話さなかった。
その本当の理由は今でも分かっていない。14才の時に母に引き取られ大阪に来たのだが、大阪にも馴染まなかった。
母にもだ。
私は母から逃げるように東京に行ったのだが、東京にも馴染めず、何となく日本中をあてど無くさまよい、北海道に暫く滞在した。
金が無くなり、取り敢えず大阪に帰って、アルバイトを掛け持ちでやり、金が出来たら、即、北海道に向かった。
その時は住むつもりで行ったので、アパートを借り、デパートで布団やらを買い、毛布だけは持って帰った。
札幌の街を毛布を抱きながら私は泣いていた。
何故、こんなに寂しい思いをしなくてはならないんだろう、と言う思いが溢れて止まらなくなってしまった。だけど母の所にいても同じだった。
私と新坂が出会ったのはこの時。新坂と亀沢が二階で私が一階の5号室で、真上が亀沢と勘違いしていたのだが、真上は新坂だった。
床を叩いていたのはもっぱら亀沢だったから、勘違いしていた。
何故、彼らに会ったのか記憶が定かではない。何時の間にか私の部屋に新坂と亀沢ともう一人の男性がいた。奇妙な光景ではあるが、極自然でもあった。
極自然に新坂と私が付き合うようになり、三人のポジションみたいなものが出来ていた。
寂しいと言う本能は人がみな持っているものだと私は思う。新坂を思い出す時、特別な感情が全くないのが不思議な気がする。亀沢もだが。恋愛感情が全く無く、何時の間にか三人で過ごしていた。
亀沢との思い出と新坂の思い出は異なるのだが、根底は寂しいと言う思いなんだろう。
じゃ寂しいから誰でもいいのかと言えばそうではないと今なら言える。
寂しさにも波長があるように思う。新坂と亀沢が仲が良かったのは波長が合っていたからだと分かる。その二人の間に私が加わり、不思議な関係が出来た。
もし男が欲望だけで女を見ていたら、あの関係は築けなかっただろう。
亀沢は私に対して甘えはしたが、彼から欲望を感じたことはない。
私の膝枕や、一つ布団の中でくるまって私も亀沢も安心感だけを感じていた。
あの時の時間が特別な人間にだけ与えられたものに思える。(思いやり)と言う気持ちを互いに持った人間同士にしか味わえないものに思える。
新坂も亀沢も私には何の要求もしては来なかった。ただ一緒にいられるだけで良かったんだと思う。それは私の側に寄って来ていた居候たちも同じだったのではないだろうか。
新坂はちょっと違うのだが、彼は私を恋人としての証として刻印を付けていた。それが後に誰よりも傷つく結果を招くことにもなったのだが。
私が新坂を思い出したのは不思議な偶然からだ。
何気なく寄った店で私は奇妙な気分がした。最初からでは無く、何時の間にかだ。極自然にあの日に似た空気が私を包んでいるのに気付いた。懐かしい囁き(帰っておいでよ)
何時の間にか私とサライの関係が札幌で過ごした時と同じになっていた。
あの頃は無意識だったが、今回は認識している。この感覚は特別な感覚なんだと。
私の前をサライが歩いている。他人なのに不思議な連帯感がある(いるだけでいいんだ)サライも新坂も亀沢も同じ鼓動を送ってくる。
欲望のない美しい鼓動が私を安らがせてくれる。
ただ、側にいてくれるだけで安らぐ人がいる。
情熱が冷めて、ちょうどいい関係になった時に本当の意味で特別な人になるように思う。
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