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サライ、君は拷問にあっても秘密を守るだけの誠実さを持っている。君と目を合わせたあの日から私は君の目に似た人を探している。
確かめる為にでしかない。あの瞬間に感じたものが他の人からも感じることが可能かどうかを知りたい。
もし、君が幸せだけを望むなら私とは別れた方がいいだろう。私と関わらないことだ。
幸せな時に共に歩く人ならそこら中にうじゃうじゃいるだろう。探す必要などない。私が幸せの為にだけ生きていたならあそこで立ち止まったであろう。
正義はないと私は思っている。それと同じように幸せか不幸かはその人なりの考え方に寄るものでしかない。ただ、私の中に不屈な何者かが私に命じる何かを感じるだけだ。その主が私を不幸にするかも知れないのだが、逆らうことは出来ない。
人間の心からの愛も同じではなかろうかと思われる。あの日の君の目は拷問にあっても手放せない愛を秘めていた。対象は違ってもその心情は同じではないだろうか。
サライ、君は私にとって安らぎなんだ。君に最初の頃に言ったように希望でもある。サライ、君に私の味方になってくれとは思わないんだ。君が私の傍らにいてくれるだけで私は闘い続ける勇気とエネルギーを得られる。君が私の笑顔に元気をもらっていたように私は君の存在そのものに勇気づけられている。
嵐の度に私は神に祈っていた。否、神ではない。私の中の無意識にであろう。
無意識からの指令の後から私の意識は生まれてくる。
君に会った時、私は死ぬかも…と感じていたのだが、そこにも何らかの意味があるのだろうとしか思わなかった。無意識も同じだ。私には予測不可能な指令を下す。私は誰にも救いを求めない、これは私の人生なのだからただ最後まで貫くだけの勇気が必要なんだ。その勇気をくれるのがサライ、君なんだと感じている。形は違えど君と私はやはり似ている。君の不屈な沈黙を持って私も闘い続けるだろう。
私にとって人生そのものが苦しみでしかなかった。その中で唯一君に逢い安らぐ場を与えられたように思っている。
戦場に向かう私の足非常に重たく感じるのだが、君を思う心が私に勇気と穏やかさをくれる。
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