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手塚先生が火の鳥で作り出したタマミは相手に合わせて姿を変えるのだが、タマミにはしっかりとした美意識がある。
人は鏡とも言う。
[鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰]鏡は嘘もつく[あなた様でございます]
多分、そう言う言葉を期待していたんだろう。
人間関係は凸と凹の形になるからうまく折り合っていけるんだろうと思うのだが、相手を見ていたら自分自身が見えると言うか、相手に合わせて姿を変えると相手が見えてくる。
[あーこの人、こんな人間がいいんだ]人の好みにはその人の人間性が現れるものだと思う。
手塚先生がムービーのタマミに託した寂しさがある。まるで自分の分身のように姿を変えるタマミは多くの人間の憧れでもあるのだろう。
だが、タマミは奴隷を求める人間の心には決して応えない美意識を持っている。私がサライに会った時に感じたものがある。[その美しい心のままになら…]まっ!そんな感じかな。女はやはり愛の器なんだと思うのだが、無機質ではないので器は器でも拒否する権利はあるんだなぁ。
[バッチい水を入れないで!]せっかくの美しい器も濁った水では台無しになる。透明なワイングラスの中に様々な色を注ぎ楽しむような感覚かも知れない。
私が綺麗だなぁと感じる人にはある特徴がある。人格無き人格とでも言っておこうか。
ジョセフ、キャンベルが書いた[千の顔を持つ英雄]は多分あらゆるものに姿を変えるのだが、私たち人間も死んで土になり、その土から花が咲き、木々が茂りと悠久の時の中でいくつもの生命になって存在している。
私が人間でいられる時間はそんなには長くはないのだと思う。寂しい人間に生まれた私の願いは手塚先生が求めたように愛する人の器になりたいってとこか。
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