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この年になっても不可解な現象のひとつとして恋愛が立ちはだかる 私は情熱的な恋愛に会ったことがない 好きになった人はいる 話が合うとか、趣味が似てるとかのレベルで 要するに、この人といると話題が尽きない、のであって 暇潰しにはもってこいの相手に過ぎないのかも知れない
[この人がいればいい]そうはっきり自覚したのはサライが初めてだと思う ぶっちゃけサライは無愛想で無口でめったに笑わないのだが、側にいて息がしやすいとでも言えばよいのか
何でしょうね 人と人の相性と言うものは 二人でいるのに一人でいるような感覚 だからといって寂しいと言う訳ではないのだ 似たような現象で二人でいるより一人の方がいい、と言うのがある 一緒にいて寂しいと言う気分にしかならないなら、多分、相性が悪いのだ
サライに会ってから私は様々な人の違いが分かるようになったのは確かなんだ 人と人の距離みたいなものを敏感に感じるようにはなった 付き合いにも無理が無くなったように思う 何かが異なる…その違和感を必死になって埋めようとしていた頃の私は非常に落ち着きがなかったように思う
孤独から必死になり逃れようとあがいていたのだと振り返り思う 孤独であることを喜ばしくは思わないが、せめてもの救いとして一人の人間を与えてくれたことだけで救われた思いがする 私は自分を特別な人間として思ってはいないが、サライを見ているとこの世界には確かに秘密結社なるものがあるのだと思う 私もサライもこの世界の住人になりたくてなった訳ではない 理不尽な運命に導かれたとしかいいようがない 99パーセントの苦しみに1パーセントの滴が落ちた それが私が味わっている愛だと思う 恋愛感情を超えた何かが私とサライの間には横たわっている
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