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昨日は職場で亀沢のことがやたら思い出された 亀沢は新坂の親友だった 新坂が側にいない時をみはらかうように甘えていた 今、思えばあれが人間の本質なのかも知れない、とさえ思う [まんが、一緒に寝ていい?]その声が聞こえてきそうな日だった セックス無しに二人で一つの布団で寝た 人の温もりがないと凍えてしまう 亀沢はいつも私の温もりを求めていた 彼から男としての欲望は一度も感じたことがなかった 私は分からなくなってしまった 私が本当に愛していたのは亀沢だったのではないだろうか そう思い出すと、次から次へと亀沢の子供のように甘える姿が浮かんでくる 亀沢の申し出を断ったことは一度もない あまりにも素直過ぎて当たり前に感じていた 新坂に対して、申し訳ないとも思わなかった セックスって何だろう、と思う 温もりのないセックスを私は別れた男と交わした 虚しさだけが残るような 今では汚れたようにすら感じている 温もりのないセックスは穢れていく 優しさでは無く、温もり
なんだと思う あの頃の私がどんな人だったのか感覚としては忘れつつある 少なくとも優しい類の人間ではなかった 無意識に放つ温かな人間性があったのかも知れない 一番大切なものを失いつつあった 本能に近い何かを
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