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サライ、私がサライを信じたのは命がけだったんだよ。何度も心の中で(死んでもいい…)呟きながらサライの後をついて行った。
[どこに行く?]って聞かれた時に[どこでもいい]
どこかに行きたい場所がある訳じゃなかった。サライと一緒にいられるならどこでも構わなかった。サライと私はラーメンが似合うなぁと思った。
昔にある女から言われたことがある。私が自分の旦那のお気に入りだと知った時彼女は私に[たまにはラーメンも食べたくなる]とね。
確かに私は安上がりな女かも知れない。世の中が不景気になっても米と塩があれば何とか凌げるなんて思ったりする。
面白い話があるんだ元旦那が働く気が全く無かった頃に私は馬鹿らしくなって仕事を辞めた。二人でブラブラしていたらある日、奴が聞いてきた[後、いくらある?]言ってやった[2000円]
この場面は今でも可笑しくなる。奴は慌てふためいた様子だったからおまけをつけてやった[大丈夫よ、米もジャガイモもあるから]
自由な人が好きなんだが、だらしないと自由は似ているから間違えた。
まだ、笑い話がある[おまえヒモは嫌いか]には仰け反った。即答で[当たり前だ!]ヒモにしたいほどの魅力でもあれば別だが、ただだらしないだけの鬱陶しい男、それが元旦那。別居していた頃、私がコーヒー飲みに誘ったら[寂しいんだろう]だとさ。
あー寂しいさ!てめぇみたいな野郎といたら余計寂しくなった、ちゅうか寂しさを自覚した。
一緒にいて寂しさが次第に募って狂いそうだった。仕事だけが救いに思えた。忙しくしていたら忘れられる。
サライの横にいるとね、何にも飾らない私がいて、誤魔化しのないすっぴんの心がある。とっても静かなんだけど目の前にある景色がキラキラ光って見える。
[僕を信じて!]
信頼とは違うように思う。出会った頃から(死ぬかも…)そんな気持ちがあった。幸せになりたくて愛したんじゃないの。愛さずにはいられなくて、結果的に信じるしか無かった。
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