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サライに会った時の私の感覚は15才から18才くらいの感覚になっているのが不思議だった。
この年齢は新坂と私が出逢った年齢なのだ。私が18才、新坂が21才。年は三歳しか違わないのだが、私から見た新坂は随分大人びて見え、尚且つ、物事の本質を見抜く目を持っていたと記憶している。
私が好きと言う感情を自覚する間も無くいつの間にかと言う無責任な付き合い、と感じていたのは私の方だけで、新坂には何らかの確信があったのだと振り返り思う。
恐らく新坂も私に会った瞬間に[この子だ]と確信したのだろう。私はサライを一目見た時の印象は忘れられない。
その前にもチラッと視界に入った瞬間がある。その時は、ん?と言う摩訶不思議な感覚だった。
ちょっと変わった人種のような、群集の中にいるのに離れて存在しているような独特な空気。
この世界に空から舞い降りたような雰囲気。生意気で頑固でわがままで、意地っぱりで、優しいのだが、頭から妙な角がピョンと生えている奇妙な生物。
悪魔の子サライと名付けたが、私の勘も大したもんだ。今では奴もサライ!と呼んだら反応するようになった。[なんで俺はサライなんだ]と言う反論もないので本名なんかどうでもいい。
野生児なんだが良心を持ち併せていると言う微妙なバランスだな。新坂は違った。彼は紳士に入る。その後に出逢った人も新坂のタイプだ。要するに大人だな。サライは大人になれないタイプだ。大人を演じるだけでなれないタイプ。
こう言う奴の子守はいささかくたびれるのだが、なんせ可愛いものだから苦にならない。
新坂も私と付き合っていた頃苦労したんだろうなぁ。突然いなくなるわ、好き嫌いは激しいわで。わがままと素直さが入り混じっている。
[僕のこと好き]と執拗に確かめたがる所はガキ独特の独占欲だ。
[男は独占欲が強いから]おめぇのは男の独占欲では無く、ガキの独占欲だ。
いないいないばぁ!だな。
チラッと姿を見せ、私が消えると[あっ見つけた]隠れ場所を探し、うろちょろする。
[コラ!サライ待たんかい!]
不思議な子だ。
とても魅力的な子だが子守が大変。いないと無償に寂しさを覚える。
大人にならないで欲しいと願う気持ちがある。
新坂も私にそう願っていたのかも知れない。
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