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新坂もだが、20年後にも新坂と似たような言葉と仕草の人に会った。[君は昔からそうだったの?][君は人を惹きつけるものを持っている]これに関して私は[引きづられてくる人は嫌い]迷いも無く口を付いて出た言葉。[そう言うものを持った人間はそう言う人を嫌う]
そう言うものって何だろうね。私は自分を知恵遅れと思ったことがある。理由は何故か私の側にはそう言う子や人が寄って来ていたから私も同類なんかなぁと思った。
自分で言うのも何だが、非常に素直だった。私を好きになる人は優しい人が多かった。去勢を張らない。男に頼らない。その精神が私に無意識の経験をさせてくれた。
数多くの男とセックスをしたが、一度もキスはしていない。あんなに優しかった新坂ともだ。二人目の男はセックスの後私の肩に手を回してきた。私は何故かムッとしてきて[この手は何よ!]
私はこの男には何度かムッとして突然怒りだすことがあった[君は急に怒る]
セックスの後、ある男は結婚を申し込んできた。(男はこんなことで結婚を決意するのか)
私の返事は[好きな人がいるの]相手は納得しない。[そいつに会わせろ]仕方なく別の男の住みかまで連れて行く羽目になった。
[会う?]と聞いたら拒んだ。私と別れた後すぐ結婚したと噂に聞いた。
トータルで私の男関係を考えると、まず愛していないの一言に尽きる。セックスで結婚を決意する男は嫌いだ。そうでは無かったかも知れないが、そうとしか思えなかった。
時を超え何度も訪ね来る人がいる。三人目だ。三人に共通しているものを探す。そこに私がいるような気がするから。
三人に共通しているのは(一途な愛)と、いささかキザっぼいのだが、風貌は少年っぼいのと汚れていない精神だ。
サライは一瞬アホかと思った時がある。アホでなかったらふざけているんだろうと考え、からかい過ぎた結果、私が泣きを見ている。
一途な人は一見アホに見える。
今なら新坂や二度目の出会いの意味が分かる。サライに私が見ているものが何であるか。出世なんかしなくていい。存在そのものが愛おしく、愛苦しい。
二度目の時私は彼から[君はハイジみたいだ]の言葉と可愛いいを頂いた。ブスを自認し、コンプレックスの塊の私。
振り返ると素敵な人から何度も求愛されていた。
サライを見ながら、何故、こいつが可愛いいのかと考える。サライの中に私を知る鍵があるような気がする。
サライねぇ。何て説明したらいいんだか分からないのだが、まず出世はしないかも。背広姿は似合わない。要するに猛獣の類だな。猛獣のくせにいざとなったら怖じ気づいてしまうようなウブさだな。だから、私から強引に襲いキスしてやった。私にとっては初キスなんだなぁ。
別に大事にとってあった訳じゃないんだが、そんな気になる男がいなかっただけ。


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