愛の変形

にいざかと一緒になっていたら私はボケ～としてあまり努力しなかったんじゃないかな。にいざかはいつも[まんがはそのままでいいんだ]って甘やかしていたと思う。努力しなくても愛されていたら人間は駄目になる。あの頃、そこまでは考えていた訳じゃないけど、今の私が好きだから。いろいろと辛かったし、寂しかったけど、だらしない人間は嫌いなんだ。にいざかといたら優しさに甘えていつまでたってもにいざかの優しさには気が付かず、違う形でにいざかを失ったんじゃないかな。
だらしない人を愛し続けるなんてにいざかには苦痛だろう？何となく分かるんだ。あの頃の私を思い出したらにいざかが私の何を愛していたかが。
[俺、顔には惚れないんだ]悪うござんしたね。愛情いっぱい込めた言葉は傷付かないんだよ。
[俺、カツラ被った女は嫌いなんだ]
うん、カツラ被っていたね。私は変わり者で、友人と賭けをして丸坊主にされていたんだ。銭湯行くとカツラを取るんだが、周りの視線が面白かった。私にかかったら悲劇も喜劇にしかならない。
カツラの理由も話せなかったね。
[にいざか私好きな人が出来た]恋人に言う言葉じゃないね。えげつない女と普通は言われるんだが、それも私。
こんな女が今、私の前にいたら、開いた口が塞がらないんだろうなぁ。
郷ひろみさんの[素敵にシンデレラ、コンプレックス]はそのままの私。にいざかと過ごしていた脳天気な私。
優しい鼓動を愛してにいざかに見初められたのに優しさの意味が分かってなかった。