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3月の中頃に嵐山の川にドライブに行ったね。サライは寒いから車の中で待っていると言って車に帰って行ったけど、私は寒い中で川の音と寒さを感じながら、人間はどうしょうもない生物だなぁと嘆いていた。
寂しくてやりきれなくなる。だからと言って恋愛に逃げる気にはならないんだ。暫く川面を見ていたら気持ちが落ち着いて、車に帰り[サライ、寒いよ。冷たい!]言いながらサライのほっぺに手を触れた時の私が好きなんだ。
サライになら素直に甘えられるのが不思議な気がする。サライは[俺を男として見ろ!]と立ちはだかるけど、お互い自分が一番素直になれる関係がいいんじゃないかなぁ。
サライの発想は多分私とセックスしたいからだと思うんだが、男として見なくてもセックスは出来るよ。独占だって出来る。サライのままが私はいいんだけど、その中に[男]としてのサライも入っている。男としか見れない人より豊かなサライがいるんだがなぁ。多分ね、サライの欲望を満たしたらきっと男になんか拘らなくなる気がする。そんな気がしたから[俺とホテル行けるか!]と言われた時[いいよ]と応えたんんだけど。
私がサライの心に飛び込めるのは信頼があるからなんだが、サライはそれがないんだね。だから、セックスが入り口代わりになってるだけ。入ってしまったら、[なんだ~]随分狭い入り口に拘っていたんだと気付くんじゃないかな。
私はサライのような人にはめったに逢わないから、逢えただけで奇跡だと感じている。
サライから[キライだ!]と言われた後、私はサライの服の袖を子供のように掴んでいた。あれ、私が好きな人にする癖なんだ。好きな人にしかしない癖みたいなものが自然にでるのが私には不思議な気がする。甘えている訳じゃないんだ。心細い時に無意識にでる癖がサライの前では抵抗もなく出てくる。そんな自分が好きだから、サライは特別な人なんだと思っている。
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