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永遠に降り続けるがいい。私はもう別れに怯えたりはしない。嫌いな人と一緒にいることの苦痛に比べたら別れなんぞ、へっとも思わなくなった。
嫌いな人の側にいるだけで私の細胞はざわめき、心臓は喘ぐ。人と言うものがこれほどの影響力を与えるものだとは思わなかったのかも知れない。みんな似たか寄ったりにしか思えず、人間に絶望しかかった時にサライに逢った。今まで私は何を見ていたのだろう。誰も彼もが同じように下らないできそこないに思えて絶望的な気持ちで生きていて、ふいに死にたくなるくらいの奈落に落ちていくような気がした。
それを食い止めているのがサライだと思う。自分に確かな中心が出来た途端周りの人間をありのままに見るようになった。私は人を比較しているのではない。
私の周りに半径一メートルの世界があるなら、そこに踏み込める人間は誰か、と言う単純なことに思える。何故、サライはスンナリ踏み込めたのかも分かっている。
サライ、君の心の美しさ以外の何者でもない。君は好きだが、君がその心を失えば私は君には未練すら感じないだろう。美しい肉体を持った君も単なるガラクタにしか見えなくなる。君がその美しい心で誰かを愛したならアッサリ諦めることだって出来る。
私が恐れているのは君との別れなんかじゃない。君が下らないガラクタに変わり果てるのを恐れている。逢わずにいれば君は永遠に美しいままの姿で私の記憶に残る。[会うのが怖い]そう言った私の言葉を君がどんな風に解釈したのかは知らないが、最初の私の言葉を覚えているなら分かってくれるだろう。[私は心の美しい人が好きなの]形がないから守りきる人は少ないのだが、私には見えてしまう悲しい性がある。別れより絶望するのが怖いんだと思う。君より君の心が好きで、同じ心を持った人を探している私がいる。君に似た気持ちを持って私に近づいてくる人も君の心だけは持っていない。その魂も…ないんだ。多分、君の心は人間の永遠の憧れ。
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