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しんみりした場面を思い出したかと思いきゃ笑える場面が脳裏をよぎる。心のいちばん深いとこにいるサライはとても静かなんだが、時たまヒョイと水の中から頭をもたげると妙な生物になっている。悪ガキがサライの頭の中に落書きでもしたような、ヘンチクリンな感じかな。
真剣とクソ真面目は違うのだと思うのだが、冗談と本気の境目が私は曖昧らしいそうな。
要するにアバウトな性格で空白があると落書きをするような感覚なんだと思う。大した落書きじゃないから消せばすむことじゃない。こう言う類の落書きはジョークでしかないのだが、迫真の演技が災いとなり?ジョークにはとって頂けないのだが誤解を訂正する気にもならない。ちょいと道を外れても帰り道さえ分かっていれば原点からやり直せばいいじゃん。完璧が嫌いってのもあるかな。
失敗を楽しめるっていいと思うし、何度でも出直せる仲であって欲しい。そう言う意味ではサライは懐が大きいんだろうね。ただ一つだけ妙に拘っている部分があるとしたら[俺は男だ]ってとこかな。はい!十分立派な男でございます。
肩書きなぞに頼る必要もないくらいの男ってのはなかなかいないかも…
毎日なんだかんだで嫌なことが結構あるんだが、サライの前では愚痴を言う気にはならないし、まっ言う必要も感じない。側にいるだけで私は心が穏やかで安心しきっているんだと思う。安心しきって現実を忘れられるからジョークも出るんじゃないかな。
多分、私が愚痴を言う人間は嫌いな人なんだと思う。愚痴を言うしか関われない悲しい関係なんだろう。そう言う自分が嫌いなんだけど、そんな関係しか築けない人もいる。
なんとなく側にいるだけで現実を忘れて過ごせるって素敵じゃない。別に約束した訳でもないのだが、いつの間にかサライと私の奇妙なキャッチボールが出来ていた。
[君がそんな気ならこれでも食らえ!]豪速球が飛んでくる度に私は笑いこけている。知り合って一年ちょいで、会話らしきものもさして無かったんだが、無言で伝わってくる温もりがある。
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