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君は光に住む人を捕らえる闇人。欲望に群がる輩を罠にかけ生き血をすする。人間はみなそうだ。共食いまでするのだ。君が仕掛けた罠とも知らず、群がってくる。
獲物を見つけると君はすかさず食らいつく。相手の好物を餌に。だが、その君がある少女に逢った。君は闇の番人である事も忘れ、少女に夢中になった。
ある日、少女は姿を消した。
幾日もの日が過ぎ再び少女が訪れ、また消えた。
三度目の時、君は少女に恋をしている自分に気付いた。
闇人である身分も忘れ、ただ焦がれる日々は狂おしく切ないまでに達した。
禁断の恋。
身分をあかしてはならない。だが、せめて思いだけは伝えたい。
溢れる気持ちを堪え言ってはならない秘密を漏らした。
[愛している]
鼓動が語る。
闇と光に分かたれた世界に通路が開かれ、君と少女は人知れず密会を重ねた。
人目を避け夜の闇に紛れての恋を知るのは誰もいない。
逢いたい君に。逢いたい君に。
夜毎夜毎、思いは募るばかり。
この世界は闇と光で織り成されている。闇は人間の夢が生まれる場所。人が心から欲するものを叶えてもくれる。
愛と欲望の罠。
少女がかかったのは欲望ではなく、愛の罠。罠にかかり苦しむ少女に[逃げろ!]叫ぶ君に少女は悲しげな顔で[良いのです。私はここであなたの罠にかかり死ぬことを欲します。]
愛は死の苦しみを伴う。死から逃れ生きて行けない定めなら、いっそ、愛する人に殺されるを望みます。けれで愛は死ぬことのない命なのです。
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