携帯から書く日々ブログ
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サライの所に向かいながら私は心の中で虚しさを感じていた。虚しさを誤魔化すために向かっているのだと意識していた。
歩きながら私は神様に慈悲を求めていた。(あなたが私を少しでも愛しているなら…)その後は無言の言葉にもならない祈りに通じていた。まだ私は人間として正気を保っている。だがこれ以上先に行けば保つだけの自信はないように思える。死ぬことより人間らしさを失う恐怖の方が強い。 ひっきりなしに襲われる不整脈の度に私は祈る。壊れたポンコツの心臓がコトッと止まる瞬間を夢みる。 私が辛うじて生き長らえていられるのはポンコツの心臓では無く、目には見えない心の躍動でしかない。だがその心はサライの心としか動かないように思える。サライの心が死ねば私の心も死んでいくのだと言う不安。 何故、出会ったのだろう。逢わなければ私は知らずにすんだのだと言う後悔と人間にしか許されない関わりがあるのだと言う喜びと苦しみを何度も行き来する。愛するなら誰でも構わないのだとも言い聞かせる。 そう、愛するだけなら誰でも構わない。だが、心が鼓動を刻む相手は限られている。それが私に虚無感を与える。 一人では生きていけない弱さを見せつける。一人では動かない心はポンコツの心臓より始末が悪い。 PR |
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