笑顔

死にたいほど辛くとも私は笑顔を作ることができる。心が凍えるほど悲しくても笑顔を作れる。憎しみが心に忍ばぬように笑顔の鎧を纏う。私は永遠に人間でありたいが為にこの心を守る。
傷つき血だらけになろうが、この心だけは憎しみに覆われることもなく、悲しみに沈むことなくありたい。
幸、不幸に関わらず愛するしか生き長らえる術を知らぬ者もいる。
私は女優の夏目雅子さんが好きだが、彼女の姿勢が今の世の中の頭と言われる政治家なり、評論家なり、なんでもいいのだがいない。
たまたま夏目雅子さんは恋愛において自身の生き様を貫かれたのだが、彼女の在り方が人間として輝きを放っているのはある意味、賢い愚かさだからに思う。
人は賢くはあっても愚かになるほどまでには信念を貫けない。打算がブレーキになれば、壁を撃ち破る威力は減少する。衰退をし続ける人間性に欠落しているのは愛する勇気と生きる勇気にも思える。夏目雅子さんは短い生涯を閉じたのだが、最後まで貫かれたように思う。
信念を持って生まれる人間がいる。生まれてから獲得するものではないのだと思う。
普通の人とは明らかに異質に創られた者がいる。夏目雅子さんも異質な部類に入るのかも知れない。天真爛漫と言われた夏目雅子さんだが、私には深い悲しみを知ってるが故の明るさに思えてならない。そう言う意味でも奥行きのある女優では無く、人間として味わい深い人間性を備えていた稀なる人に思える。