神の子

私の肉体から生まれた子ではあってもあなたの子供ではありません。あなたは肉体を通り生まれくるのではないのです。氷に閉ざされた世界から地獄の業火をくぐり抜け訪れる。
雨は私に印されたあなたの刻印に等しい。恵みの雨も災いとなすのです。
愛を無くした不毛の大地に止むことなく降り続く雨も災いと転じる。
恵みである雨もあなたの怒りに触れれば災いとなるのでしょう。
我が身に降りかからねば気づかぬ愚かさもあるのです。
神よ、あなたは人間の不幸を引き受ける存在ではないのです。自覚を促すだけなのです。
愛もあなた同様、形無きものです。あなた同様感じるしかないのです。
私たち人間が見えない存在に生かされているのだと自覚した時にあなたを感じることでしょう。
人間の愚かさが全ての災いの源でしかないのです。
愛を無くした人間には愚かさが何であるかさえ気づかない。あなたが人間にだけ与えられた品性は損なわれ最早あなたの創造から程遠く離れてしまいました。
神と悪魔はただ一つの存在です。あなたの意志一つでいずれかに変わるだけなのです。
私があなたの前でかしづく時、人間には私の姿が乞食に見えることでしょう。
貧しい者は幸いです。あなたに全てを委ねるしかないのだと知っているのです。祈りの中にあなたはおられます。
あなたの力を持ってしか拭えない愚かさもあるのです。