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私は親には全く見放されていた。代わりに神様が面倒を見てくれたんだとしか思えない。そのせいかどうかは知らないが、なかなか人間の言葉を話せずにいたように思う。
単に他の人とは違う感性を持っていたのだろうとは思う。
そんな私を受け止めてくれた人がいる。妙なことに殆どが男性と言われる人種だ。女は私を嫌う人が多いのは何故か?私も女は好きじゃないから構わないのだが。女でも男勝りの人は別だ。
男は精神的な人が寄って来ていたのが特徴かも知れない。
今日、パチンコ屋で客の顔を見ながらため息が出た。男は単なるおっさんになり、女はおばさんだ。若い子を見ていても多分、新坂や石川さんのような男にはならないだろうと予想が付く。
何が違うのだろう。私が出逢った男たちの数名は明らかに他の人種とは異なる。石川さんはある大手の専務まで登りつめたが、専務と言う椅子にかじりつくようなタイプでは無かった。
[僕を誘っていただけませんか]
愛する人に導かれ歩く人種がいる。愛する対象がいるから頑張ると言う非常に単純な動機で山の頂上まで歩く馬鹿な奴がいる。
石川さんの誘い文句の意味は(愛する力)を指しているのだと思った。
誰でも愛されたいと願っている。石川さんは知っていたのだと思う。愛さずにはいられない奇妙な生物の存在を。
昔は片っ端から愛してきたように思う。今は愛する対象が限定されてしまった。愛せない悲しさがある。誰でも良かった頃は楽でもあった。いろんなことが逆転するのかも知れない。私を誘ってくれるような愛には出会えない寂しさがある。私が過去に逢った男と今好きな人はやはり同じ人種だ。
どっちかだな。愛されたいとしか願わない弱い人間か、愛する強さのある人間かのいずれかしか私には寄っては来ない。中途半端な奴は私を避けて下さる。
私も興味がない。
愛するにせよ愛されるにせよ努力は同じなんだと思う。
単純極まりない生き方が出来る人は極少数だ。後の連中は未来や明日のことを考え、今日を失う。
自分の生き方に誇りが持てるのは彼らのおかげだと思っている。
どんな人から愛されたかで自分が見えてくる。私もまた彼らのように生きていたい。いつまでも少年の心のまに。
多分、女でもそれは同じに思える。ハンサムガールと言う言葉があるのだが、自立した女と男は中性的な匂いがする。
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