携帯から書く日々ブログ
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ガキの頃、私は宇宙より広い世界に住んでいた。言葉を知らなかったガキの頃、伝える術もなくただひたすら食物を求めて、走り回っていた。それが満たされると愛を求め走り回った。ガキの頃住んでいた世界は途方もなく広く、空は何処までも果てしなく続いていた。終わりのない世界で途方に暮れてもいた。腹の虫が鳴きさえしなければ、あのまま宇宙の彼方まで行けたかも知れない。二つに引き裂かれた世界を行ったり来たりした。どちらも手放せなくて、現実には空腹を凌ぎ、腹満ちれば心に寄り添い日陰で眠った。食う為に大人を騙す事なんてチョロいもんだった。一回だけ万引きもした。後味悪くて、それっきり。ガキの頃の一回こっきりは随分後まで長い尾を引いてて、その辺りは避けて通る事にした。あらゆるものが美味しかった。空腹の苦しみより、食べ物を口にほうばる時の喜びが勝っていた。着たきり雀で、何時も素足。風呂なんてまともに入った事もなかった。川で游いで、おしまい。都会にいる母親に引き取られ、初めて布団の上で寝た時はまるでお姫様の様な気分。気分はいいが、実際お姫様になるのはご免被りたい。煎餅布団だったけど。そんな気分味わった
事ないだろう。ザマァミロ!様々な世界を味わい、結局、生まれ育った故郷が一番いい。 欲望の赴くまま生きたが、すぐ飽きた。 心は言う、今日生きて行けたらいい、と。貧しくてもお前と一緒にいる時が一番良いのだと。生活がシンプルになればなる程、心は現実に寄り添う。これとて、一度引き裂かれてみないと解らない世界。失ってみてわかる、触れてみて感じる。何もない世界に今、私は絵を描く。世界中を歩き、一番良いもの、良質のものをこの世界に置く。一時、所狭しと置かれていた雑多なものは全て捨て、本当に心と私が喜ぶものを選ぶ。時に欲望は諦めが悪く、相変わらず甘い言葉を囁く。フンフン、それで。もう聞き飽きた。ウンザリだ。勝手にほざいてやがれ。聞く耳を持たなくなった私の前から欲望も立ち去って行く。妙に寂しそうに、振り向きながら。(しょうがないなぁ、おいで、居てもいいよ)悪い子じゃない、ただ寂しがり屋なだけ。 PR |
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