携帯から書く日々ブログ
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あれから39年が過ぎた。昨夜、何故か思い出した。私を理解し、心から愛していた人を。彼からは一言も[愛してる]とか[好き]と言う言葉は無かった。言葉は無かったが、一緒に過ごした時間だけが昨日のことのように蘇る。でも私は懐かしいなぁくらいの気持ちで思い出していた。
新坂なんだよね。[帰っておいでよ]と無言で待っていてくれたのは。みんな覚えている。過ごした時間の全てを。でも抜け落ちている大切なものがある。(愛されている)と言う自覚が私には無かった。 似たような仕草に逢い、懐かしいものを感じていた。 札幌の街路樹のポプラは葉っぱを落とし丸裸の幹だけを残していたから、多分冬の前だったんだろう。ゴツゴツした丸裸のポプラは不思議な形に見えた。[変わった形だね]と言う私に[君に似ている]喫茶店で[アイスコーヒ]と頼んだら店員が[レイコーですか]と言った言葉にしっこくアイスコーヒを言い返す私を少し呆れ顔で見ていた。どうでもいいじゃないか、と笑っていた。 冬になって雪が舞う道を新坂が私の前を歩いていた。後ろを歩いている私に(おいで)と背中に手を差し出した。 セーターの袖を掴む癖がある私に[セーターが伸びるから駄目]と言った。 メガネをかけていたね。すごくものを大事に扱う人だった。そう言うことは新坂が教えてくれたんだと思う。 倉庫の空き地でバトミントンをした時、意地になってやっている私に[君は意固地だね]と嬉しそうな顔で言っていたから、直さなきゃいけない癖じゃないんだと放置していた。 いろんな場所に誘おとしていたけど私が行きたがらなかったら無理強いはしなかった。[行けば良かった]後悔している。 私が一番最初に物語りを紡いだのも新坂にだね。勝手に物語りが生まれてきて、とりとめのない物語りを黙って受け止めていたんだ。だからあの時の物語りは今でも覚えている。 顔は覚えてないのに仕草と一緒に優しさが鮮明に残っている。新坂に似た人に会った。 どうしたらいい?あの時私はどうすれば良かったんだろう。新坂に誘われるがまま意識もせず過ごしていた。愛されているとも感じず。 片方だけが愛していても通じないんだね。[君が僕を愛していると自覚しなきゃ意味ないんだ] 最近、新坂に意地悪されている気がする。似たような人に逢い、意地悪と優しさが交互に来る。どっちがあなたなの? さぁどっちかな、探してごらん。そんな感じかな。 あの日、あの時間にタイムスリップしたような日々を過ごしている。どうしていいのか分からないんだ。愛されているのは感じているのに、どう応えていいのかが分からないんだ。まるで鬼ごっこしているみたいで、[好き]と言ったら[嫌いだ]でもやってることは[好きだよ] 新坂に似ていると思ったのは言葉じゃなく、行動なんだ。 言い方は悪いんだけど、[こんな、しち面倒な仕掛けする暇があるなぁ]私ならサッサと[好き]と言った方が手っ取り早いと思うのに。気持ちだけ確かめても駄目なのかなと最近思う。好きにも段階がある。新坂が私を愛していたように私が愛するにはどうしたらいい?失いたくない人がいる。新坂といるみたいに物語りが溢れてくる。 あの日に帰りたい。私は私のままに新坂の側で物語りを紡いでいた。ありのままの私だった時間に帰りたい。 PR |
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