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[最も豊かな王国への旅 さすらいの最後の旅 王国の門を潜ると、生きとし生けるもの全てが音もなく、音を描く
静止しているようで豊かに生きている
かって、これほど 静かに激しく かってこれほど豊かに感じたことがあったろうか 全てが目覚めていく] 店を経営していた頃、私の無意識と言う暗黒に浮かんだ言葉の意味を経験を通し理解していく 虚しい命の中から何度も何度も私に囁き続けた何者かがいる この世界には死さえも退ける至福があるのだと…[それを探すのだ!] それが[愛]の魔力だった 死と愛は同じ この詩を書いた頃、私にはまだ人を愛する苦悩は知らなかった 空虚から脱出したかっただけでしかなかった
ここ暫く言葉が浮かんで来なかったのは、深い悲しみや苦悩は言葉にならないからだ
サライ、私を心から憎むなら無関心になることなんだ 君の憎しみを感じる度に胸が張り裂けそうになる 皮肉なもんだね 人を深く愛する力を授けられた人間は同時に深い傷を与える術も心得ている サライ、君が憎しみで私を苦しめるなら私は愛をもち闘う 君の憎しみが敗北するまで…
愛する者が苦悩する姿は君にとって快感だろう その快感を微笑みで打ち砕いてやりたい 君の期待通りには決してならない 私は最初の頃の君の微笑みが好きたった 魂は暗黒に眠る まさに君の微笑みは魂から咲きこぼれた華のように光輝いてい
昨日、大切にしていた手袋を無くした 愛着を持ったものを失うのは悲しいのだとつくづく感じた
振り返り思い出せば私の人生は苦しみから生きる糧を紡いできたようなものだ 苦しみを忘れる為だけに多忙に身を委ねた、と言っても過言ではない そこまでして何故に生きねばならないのか、と私自身に問いかける
過去を振り返り、何度も幸せになるチャンスはあったにも関わらず、敢えて苦難に満ちた道を辿った意味を知りたい
その度に新坂を思い出す あの頃に帰れたなら、と
札幌の街を… 帰れたとしても私はサライを愛するように新坂を愛せはしない
ただ苦しまずにすむ愛に憩いたいだけだ
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