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サライ、疲れた。
君の心の傍らで静かに安らぎたい。
私が探していたのは私と同じ能力を持った人だったのだと今日気付いた。その能力が実際にあるのだと確信するまでは私自身を隠し続けてきた。サライ、君に逢って私は確信したのだと思う。現実に同じ能力を持った人間がいるのだと確信した途端私はもう怯えてはいないのだが、薄汚い心の傍らにいるのは苦痛でたまらない。
サライ、君は寂しくはないのか。宇宙人のようにこの世界にいることが寂しくはないのか。私と君には言葉は不必要だった。君に遭うまでの長い道のりがある。この不思議な能力に苦しみながら否定も出来ず肯定する勇気も無かった。
君が証明してくれたんだ。私が持って生まれたこの苦しみに等しい能力の辛さは君にしか分からないだろう。
サライ、誰も信じないだろう。私だって信じてはいなかったのだから…確信まで辿り着く道のりは長く辛いものだった。君に遭うまで私は自分の持って生まれた力を呪わしくさえ思っていた。サライ、君も自分が持って生まれた能力から孤独を味わったのではないのか。
君が今している仕事は君の不思議な能力を少しでも生かせる仕事なんだろう?だったら何故、誇りを持たないのだ。
君は今の仕事に誇りは持っていない。君は私に[時給がいいから…]と言ったんだ。時給なんか関係ないんだ、神様はこの世界で与えられた能力に相応しい仕事を君に与えた。
君に遭う前から私にははっきりとした予感があったのも事実だ。君は私に逢ったのは偶然だと言った。偶然なんかじゃないんだ。出会うべくして出会ったからこそ互いに何も知りたがらなかったんじゃないのか。[君が好きだ…]あの声は言葉を超えた世界の住人にしか発せられない信号に等しい。
私は断言出来る。君が私を失ったら永遠の孤独に落ちるだろうと、私も君を失ったらこの世界は永遠に閉ざされた孤独になるだろう。
君と私は一対の生命体でしかない。
サライ、ずっと意地を張っていたらいい。君が孤独に耐えられなくなったら私が寂しいと言った言葉の意味を知るだろう。[私は恋愛はしない]それも真実だ。初めから私の相手は決まっていた。後はサライが決めたらいい。宿命でも断ち切れたなら私もそうしていただろう。
君に逢って宿命を受け入れる覚悟をしたようなものなんだが、君が私を嫌いなら宿命より君の心を尊重する。
寂しいから君を愛したんじゃない。最初に君を見た時[この子なら最高だ]そう呟く私がいた。
多分、愛を超えた何かがあるのだろうが否定するのは君の自由だ。
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