過ぎ去った愛

いろいろと勘違いもあったが、自分の目と心で探し歩いた事は後悔はしていない。振り返って見て、まっ！破廉恥なと笑うしかないが、なんでも体験しないと分からないものだから致し方ない。
嘘は書けないから、経験から感じた事を紡ぎたい。
ゲーテの最大の魅力は好奇心だと私は思う。彼の言葉に[人生は砂糖菓子では出来ていない。固いものも噛まねばならない]逞しい彼の精神と鋭い洞察力、知性、感性。人間としてバランス感覚の良さがある。
出来上がった人間より多少でも可能性のある人間を私は愛する。今はまだ未完成であってもあらゆる可能性を秘めた人間は魅力的だ。
逆に大嫌いな人間は出来上がっちまった野郎だ。野郎は男だけとは限らない。乞食のことだ。
生きる値打ちすらない人間がいる。
成長がないから常に不満ばかりを並べたてる。不満は胸にしまっておけ！努力へと歩き出すだろう。立ち止まるなら、それは不満ではない。欲求不満だ。
乞食だ。欲しがり、求める乞食。与える知恵を持ち合わせない乞食は心が薄汚れていく。誰がそんな薄汚れた鏡に自分を映そうと思うものか。人間は他者を鏡に自身を知る。美しい鏡に向かい乞食が問いかけたところで鏡は嘘が付けないのだから、無言になるしかない。鏡にだって選ぶ権利はあるんだ。私が鏡を選ぶなら美しく磨かれた鏡を選ぶ。薄汚れた鏡の言葉なんぞ当てにはならないからだ。