サヨナラを言おう

幼い日の出来事を口にする事すら出来ず見知らぬ地で私は別人を装った。誰も私の過去を知らない地では私は過去から自由になれた。だが、今ではその過去こそが私の大切な部分だと思っている。何ら恥じる事は無かったのだ。 街でブロンズ像のように無傷の美しい女性を見ると不思議に思った。私がまだ２０歳の頃だと思う。 何故彼女は傷一つ無く生きて来れたのか、私には不思議だった。 保護者、人間にはそう言う人がいて守られ育つ。そんな当たり前の感覚が私には無かった。誰も守ってくれないのが私の当たり前になっていた。無邪気な人を見ると羨ましいと言う気持ちよりまるで過去と言うもののない存在にも映った。私にとっての過去は隠さなくてはならないものだったのだろう。あっけらかんと自分を素直に語れる。闇の中にしか過去を持たない私にとって、語れる過去は過去では無く思い出だ。 今更自分の過去を隠す気はないがやはり語る事は困難に思える。言葉にして語れはしない。語ろうとも思わなくなった。その大地の事は私一人の胸のうちで大事にしておきたい。その大地から育った花だけでいい。岩だらけのゴツゴツした固
い大地に根ざした一粒の種。生まれ落ちた大地から水を求め光を求め屈折を繰り返しながら這いずり廻った道が今は遠い日の私でしかない。今私が立っているこの大地から私はただ空を目指し伸びて行かんとする。最早誰にも手折られはしない。例え手折られようと大地深く根ざした命は何度でも芽吹くだろう。 いつの間にか恐れを知らぬ大樹のように悠然とそびえる。多少の傷も年月を思い出しこそすれ恥じる事はないのだ。 才能とは何をいうのだろう。才能も様々。 今では言える事が一つある。生き抜く力それこそが最高の才能だと私は言える。

腐ってんのかよ

政治家の全てが皆腐ってるとは思わないが、政治家と聞くだけで何故か疑いの眼差しで見てしまう。言葉には人となりが出るものだ。政治家は口を揃えて政治には金がかかると言う。じゃあんたでなくてもいいよ。ヤケクソで言わせてもらう。おめぇら心底苦しい生活味わった事ねぇだろう。口を開けば金、金。その金だって上手く使いこなせないのに何が国の為、人の為にできる。ポスターの馬鹿フレーズ、笑っちゃうね。その代表作、ケンタがいるじやないか。あんただから余計不安になる。 国民の生活は自民党が守る、馬鹿いってんじゃないよ。顔洗って出直してきな！あんたは単なる国民の寄生虫以外の何者でもありゃしない。 こんな働き方おかしくない、おかしいのはあんたの脳味噌。とにかく全員出直してきな！税金で飯食ってる奴にろくな人間はいない。苦労を知らないってある意味不幸かも。災難や苦労があるからこそ人間は悩み苦しみ考える。それがなきゃ考えたりはしないもんだよ。たまに思うよ。ポスターや事務所、秘書に使う金があったら、あんたの身直にいる苦しむ人に手を差し伸べて欲しいって。でもあんたには見えないんだよね。例え見え
ていたとしてもその事実を認識しない限り無きに等しきなんだ。だだ見ているだけなら頭は要らない。見て認識し、判断し、行動にならなきゃ何の意味もありゃしない。政治献金だってくれるものは貰っとけばいいさ。 使い方一つだ。腐った金だってあんた次第で黄金にもなる。そういうのが出来て人間なんだろうね。 もう気付いてもいいんでないの。政治家の常識は一般人の非常識だと。 ヒットラーは、支配者にとって国民が考えない事が幸せだとほざきやがった。考えていない訳じゃねぇんだよ。馬鹿には何を言ったって無駄だと知ってんだ。 私の知人にも脳天気な女がいた。よっぽど親から大切に育てられたんだろうね。世間知らずでホームレスは甘えているとのたもうた。苦労を知ってる人間が言う分には腹も立たないが苦労知らずのあんたが言うとむかっぱらがたつ！てめぇも出直して来い！ボケ！ペチャパイのような人生を歩いて来た人間には不幸な人は皆自己責任にしか見えない。あんたはたまたま運が良かっただけだよ。ただし実力はなさそうだが。どんなに頑張ったってどうにもならない時はあるんだ。だからこそ人がいる。犬畜生で
ない人間がいるんだ。

美人は３日で飽きる

これは真実だ。いくら美しい人であれ、変わらぬものは飽きる。私はかってもと旦那から言われた事がある。変わったのはお前で俺は変わっていないと。何を寝ぼけた事をほざいていたんだろう。馬鹿かお前は！変わらないと言う事は死んでると変わりないではないか。根っからの怠け者だ。世の中も状況も変わるのに頑固に自分にしがみついてなんになる。時は人間を鍛える為にあるんだ。因みに我が輩収入が少なく未だにもと旦那と暮らしている。情けないのだが、致し方ない状況故今暫くこのうっとうしい男と暮らすしかあるめぇ。それはそれ、私なりに楽しんでいる。
こいつと付き合うのは時間の無駄。私はあんたの退屈な人生に付き合う気はない。街に出たら様々な刺激がある。そりゃ嫌な事もあるわいな。それでも退屈よりはいい。私の予感は当たっていた。 別居してた頃、別居の理由を聞いてきた男がいた。私の返事は、退屈だからよ。彼は納得したような顔で笑っていた。私ねぇ本当はあんたが好きだった。今でも好き。このまま永遠に会えなかったら死ぬまであんたに恋い焦がれるのかなぁ。 でもね、手に入らないものほど価値があるんだよ。出逢っただけめっけものよ。私は最高の女？だってあんたが証明してくれたお陰で下らない男には目もくれなくなった。あんたにかなう男はいないって事だ。あんたが死ぬ時くらい死に水とりたいねぇ。 なんてねぇ。あんたの焼き餅焼きの奥方は相変わらず退屈なままかな。 チャンスは一回こっきりかな。今でもあなたを思う。私の誕生日の日、凄い台風で逢えなかった事は運命の仕業だったのかな。憧れのままに大切にしておく事もいいのだろう。 私の神様は焼き餅焼きだ。 逢えなかった無念も都合のいいように解釈して自分を慰めるのが私の生
きる知恵。

山あり谷あり

おまけに災難の連続。よくぞここまで生きて来たもんだ。 頑張っている人が私の励みだった。最初は小説、愛の妖精の主人公、コオロギ。その次がヘレンケラー、ビィクトルフランクル、と続く。私が愛してやまなかった人たちは皆、同じ神様の子供。そんな気がする。不屈の精神と優しさを兼ね備え人生を歩む。茨の道もあなたの強さの前では勝てばしない。流した赤い血は鮮やかな深紅の花びらになる。人間の寿命はたかが知れている。精々100年だ。屋久島の屋久杉は縄文時代かららしい。寿命では勝てはしない。人間ならば屋久杉に勝る人生を歩き、屋久杉よりはるか彼方を目指したい。私の神よ、あなたが指し示した虚空に私は絵を描こう。あなたが人間に託した夢を果てしない虚空のキャンパスに描こう。 幼い頃浜辺で描いた絵を虚空に描こう。波が寄せると消えていくしかないと知りつつ、潮に洗われた砂浜は私たち人間の命に似ている。描いては消え、その繰り返しだ。だから何物にも未練を持たない事だ。波が寄せると消えていく。美しい自然の営みに等しく儚い命を喜びで満たす事があなたへの愛の証になる。私が受け取った愛の数々を祝福の花
に変えあなたに贈ろう。

今宵はあなたと語ろう

様々な大地をさすらいあなたを見知った者を探し歩いた。私が胸に抱いているあなただ。聖書に書かれた神では無く私だけが知ってるあなただ。だが誰もあなたの心を知る者はいなかった。彼らはオウムのようにあなたの言葉を真似るだけだ。そうではない。あなたは時に風となり、時に雨となり巡る存在だ。芸術そのものだ。画家はあなたの姿を表現しようとした。音楽家もそうだ。全ての芸術家があなたに憧れ幾度その姿を形にしようとした事か。けれどあなたはキャンパスにも収まりはしない。私達人間はあなたを捕まえる事は出来ない。息吹きを感じるしかないのだ。 幾度打ち砕かれようとあなたは時代をさ迷う。一つの肉体から肉体へと渡り歩き永遠に時代を生きる。それがあなただ。人間の愚かさが成した屍の上をあなたは軽やかな足取りで戦場を嘲りつつ進む。あなたにとって人間の愚かさは大した事ではない。 嘆き悲しむ者の叫びにあなたは囁く。 私を探すのではなく人間の内に神を見いだせと。全ての人間の中に神は存在する。それは神となる事ではない。自分の内に神を見いだす事と神になる事とは違う。人間はあなたに憧れる。けれど誰もあ
なたにはなれない。あなたは全てであるが、私達人間はあなたの部分、一部に過ぎない。それで充分です。永遠にあなたの一部として、あるいは子供としての私です。本当に私はあなたをとうの昔から知っていたのだ。誰かに教えてもらう以前から私はあなたを知っていた。 さすらったのはあなたが真実なら私以外にもあなたを知る者がいるはず。そう思い尋ね歩いた道がある。 私の中に住んでるあなたを探し歩くなんて。今では滑稽に思える。あなたの住まいは教会だとばかり思っていた。生憎な事に教会の門は閉じられていた。私はそこに入る事が出来なかった日の事を今でも覚えている。絶望感。だが、違っていた。そこにあなたはいないと今では分かる。