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新坂、私にもう一度[まんが、おいで]
そう言って欲しい 自信を無くすとあの頃の新坂の優しい言葉や仕草が私に微笑んでいるような気持ちになる いつも新坂の後を犬ころか野良猫のように心ぼそげに歩いていた 新坂には随分慰められていたんだなぁと最近思う 今更、遅いのかも知れないのだが、ただあの頃のように素直に[愛されたい]と思っていた私がいちばん好きな私なんだろう 新坂にはたくさんの友人がいたけど、私が記憶しているのは亀沢だけだ 亀沢と新坂は両極端な性格だったように思う 亀沢は妙に寂しがり屋で酒を飲むと寂しさが募るのか知らないが、私に甘えるようなとこが愛おしく思い出される みんな寂しいのかも知れないね 私もそうだったけど 好きとか嫌い以前に寂しくてしょうがなかったんだ だからこそ人にも優しくなれたんじゃないかな 私の所に集まっていた居候たちも 多分その時代にも関係しているのかも知れない
閉塞感に包まれた人ばかりの中にいるとどうしようもなくなる 新坂のような人は今でも珍しい部類に入るんだとは思うのだが、人間としてどうなんだろうね あの頃の人間関係は今の時代では築けないような気がして寂しくなる
核家族化とかも言われているけど、結局、人間そのものの本質が変わってしまったんじゃないかな
手塚先生が火の鳥で描いていた人間は人間では無く、ガラクタだった ロボットのチヒロだけが人間に見えたなんて、ちょっと皮肉っぽいけど当たってるのかも知れない
優しい人がいいなんて言うけど優しさって何だ!と聞きたくなる 多分、人間としての温もりがあるかないかだと思ってしまう
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