人生の宝

秘密になっているのが人生だと思う。生きてみないと分からないのだが、せめて道しるべくらいは欲しいものだ。未来の地図はない。[こっちだよ、こっちだよ]まるで目くら鬼のテレーゼの気分だ。おー愛おしい人よ。私を捕まえておくれ。
人生を生きる者はテレーゼのような心境だろう。目隠しされたように未だ見ぬ未来を恋焦がれ、あっちにぶつかりこっちにぶつかり探し歩く。これが現実の恋なら恋は盲目と言う例えは当たっている。恋人の心も未来同様確かではない。いつ心変わりするか知れない。情熱も冷めていくだろう。冷めないで、冷めないでと必死になりテレーゼは人生へと誘う可愛い恋人。
オリジナルな人生を歩く者は笑い者にされるだろう。愛した人なりものが今までにない未発見の存在なのだから、笑われるのは覚悟の上で愛する。
これがいいかしら、こっちはどうかしら、とあれこれ工夫を凝らし恋人の心を捉えようとする。
恋する人は芸術家だと思ったのは恋人はただ世界に一人しかいない大切な人だからだ。失うことは人生そのものを諦めることでもある。真摯に物事に当たる人は素敵なパートナーを得る。生きていく上での希望。情熱を注ぐ対象を。愛の器を。