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サライと私の関わりをどう説明していいのか言葉が浮かばない。昔に書いた詩を思い出していた。
個性は語らないと書いてあったんだが、あれは個性では無く心は語らないなんだ。何も話さないのにサライの心を感じている。
サライと私の間を音も無く流れるものがある。
[僕の休み知ってるか?]知らないと応えたんだが、他にも知らないことだらけだ。私はズボラなんだろう。サライのことが好き!それだけで十分みたい。
いろんな意味でサライは現実的じゃない。サライには未来も過去も見えずサライだけがいると言う事実があるだけだ。何一つ付随物のないのがサライなんだ。
コンビニに行ったら若者が大勢たむろしていた。多分、サライは群たりはしない。美しいと思える人は孤独な世界の住人だから、余計寂しがり屋なんだろう。
幻想に過ぎないのだろうが、この世界に自分一人のためにだけ生まれてきたような女を求める。
私がサライに感じているのはそんな女で、とても愚かな女だ。私はそんな女が嫌いだったんだが、サライに会ってから気付いたんだが、私はそう言う愚かな女の部類に属しているんだろうね。
人を憎んだり、妬んだりするのは悲しいものだ。そんな気持ちや心で生きていると惨めになる。いつでも誰かを愛していたい。それは苦しいのだけど、夜空に輝く星や月のようにも思える。
静かな夜にソッと思いを寄せると心が満たされていく。空虚な心になりたくはないから、ほのかな思いを寄せる人が現実に一人でもいてくれたらいい。それがサライだった。
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今日、仕事場でサライの笑顔を思い出した。
心に花が咲くような笑顔が忘れられない。もう一度見たいなぁと思ったら、切なくなってしまった。あんな笑顔って誰にでも出来るものじゃない。
私の顔を見た瞬間にサライが見せてくれた笑顔が花のように開いていくのが嬉しくて、一瞬戸惑ったくらいだ。
今でもサライは素直なんだと思っている。ずっとそのままのサライでいて欲しい。
サライが私を好きになったのも笑顔だったんだよね。何となく分かる気がする。本当に幸せな笑顔ってあるんだと思う。サライの笑顔を思い出しながら、他にサライが喜ぶようなことって何だろう、と考えていた。多分、好きな人が笑顔でいてくれるだけでいいのかも知れないね。サライの笑顔はあったかいものがある。人は優しさにも恋をするけど、サライのような笑顔にもときめくんだろうね。
[この人私のこと好きなのかな]なんて勘違いされそうな笑顔ってあるね。
ぶっちよう面のサライの顔はしぼんだ花のようで、それはそれなりに可愛い。
まっ要するに好きな人の顔は百面相であってもいい訳よ。
私以外の人にもあんな笑顔で微笑むのかなぁ。寂しいね。
不思議ね。誰かに恋している女は輝いて見えるのかしら。
何気ない笑顔にさえ恋の色香が漂う。
誤解を招くのだが、昔のようになびいたりはしなくなった。新坂と付き合っていた頃も同じようなことがあったっけ。次から次へと男が寄ってきたのが不思議だったけど、あれは新坂が私を愛していたからなんだと思う。私の魅力では無く、新坂が与えてくれた魔力みたいなもの。女は愛され輝く。そんなことをふっと感じる。
サライに会った頃から頻繁に聞いていた声の意味は、私に再び愛する心を取り戻す為だったように思う。
サライとはうまくいかなかったけど、サライから私は大切なものを思い出すきっかけを与えてもらったように思う。
私の大切な夢。
心から愛せる人に出逢いたいとだけ願っていた。たった一つの夢の為に歩いてきた道がある。
サライだと思ったんだけど、違ったみたい。サライは私に新坂と過ごしていた頃の私を思い出さてくれた。
たくさんの愛に溢れていた私を。新坂が愛した私を。
心が微笑むような笑顔を。
人と人の間に生まれる愛は人間だけが経験出来る奇跡であり、至高の喜びなのだが、そう言う経験は誰でも出来る訳ではないのだとも思う。
心に形はないの。心に色はないの。だから寂しいのでしょう。優しい人あなたの心のままに私は姿を変える。
あなたの心だけを感じて生きていけるなら傷ついても、優しさに癒やされ明日もまた光に向かって輝いていられる。
優しい人。あなたの微笑みが私に生きる勇気をくれる。

体調が悪いと嘘をついて早引けしたのだが、ふっとあなたの優しい微笑みがよぎる。あなたまで騙したようで心苦しいのだけど、逃げ出したくなる瞬間と逃げ出したくなる人がいる。その人の側にいるだけで心は縮こまって泣いている。
嘘も辛いけど心が張り裂けそうに苦しくなる時がある。
見えない世界で悶え苦しむこの心の叫びを言葉には出来ないから、嘘をついてしまう。
タバコを買うと[年齢確認が必要な商品です]とレジの機械が言う度に私は56歳と応える。その度にレジの若い子から驚いたような声が返ってくる時の快感!昨日はオマケが付いてきた。[いつも自転車で走っているんですよね]
そうです。私に間違いはありません。
通りすがりに見た私が印象に残っていたらしい。[もっと若い人だと思ってました]とさ。
通りすがりに記憶に残るなんてのは芸能人並みではないか。こんなことが日常茶飯事になると快感以外のなにものでもなくなる。若い子が綺麗なのは当たり前。はなっから勝負は決まっているんだが、負けず嫌いの私は敢えて困難な勝負に挑む。
ちなみにサライは私より24歳も年下なんだよね。以前にも年下の男から愛の告白を受けたんだが、あん時は、鼻でせせら笑ってしまった。若さだけじゃダメよ。今、仕事場にサライより若い子がたくさんいるが、やっぱサライだから素敵なんだ。
何だろうね。サライに女を引っ付けて想像してみるんだが、どうも似合わない。サライは誰かを愛さずにはいられない気性だからいずれ恋人なりを見つけるんだろうが、今のところそんな気配はなし。あったら、あんなメッセージを残さないだろう。
そう言うのを冗談に交わせるようだったら長く付き合えたのかも知れない。
本気なんだけど言葉は冗談で溢れていて欲しい。心は言葉では語れないのだよ。そう言うのを感じれなかったら、いつか疲れてしまうもんだ。


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