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書物の中で会ったのがヘレン。私はヘレンを気の毒な人として見た事は一度もないのです。今改めて読み直すと、至る所に、哀れなヘレンを強調しているのが気になります。私がヘレンを読んだのは八歳位だったと思います。その頃私が感じたヘレンはただ、美しい人がいるんだ。と言う単純な気持ちだった。偏見は私には無かった。大阪に来て友達になった友人は長い間私に言わなかった言葉を言いました。(私は部落民だ)私にはその意味は解りませんでした。解った後も友人とは変わらず付き合いがありましたから。ただ友人が苦しんでいる事だけは解りました。友人の中にも知らないうちに偏見が植え付けられていたのでしょう。私は見える所より見えていないが、確かに感じる世界が好きです。私にとって楽しい会話とは兎と私の内緒話しであり、庭の花との会話です。私は友人の言葉はすぐ忘れてしまいました。他の人はどうか知らないが私は友人が大好きでした。それ以上は気にしてなかった。好きと言う気持ちは簡単に変われるものではないのです。ヘレンは本の世界に私を誘ってくれた人です。魅力的な人間として、たまたま目と耳が不自由だった。ココ、シャ
ネルは先の友人の勧めで読み、素敵な人と思った。ただ言える事は素敵なものは輝いている。としか説明が出来ないのです。その輝きは内面から溢れてくる何かなのです。そして、それを感じる事の出来る人間に何時も惹かれて行くだけなのです。
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