唯一の自惚れ

ブスで足は短いし、おまけに中卒。人間見た目ではないと言うが、見た目も大事かなとは思っている。もし私が美人でスタイルも良く大卒だったら、苦労は今より少ないですんだかも知れない。無いものを数えるより自分が持っているものを考えると勘の鋭さに思う。若い時は相手の心を読む事が無意識に出来た。お陰様で好かれる事には欠かなかった。人間は少なからず自分の都合のいい人を好きになる。大抵、幼稚な人間なんだが。勘の鋭さは時に苦しみでもある。いい事ばかりがある訳ではない。嫌な事もひっくるめて感じる。喜びも苦しみもそこにある。片方だけ捨てられるならいいのだが、自分が生きている意味さえも失う。感じたままを言葉にする。誰にと言う訳でもなく、私自身が唯一の心の理解者でありたいが為に。９と言う数字は私が生まれた月だが、私は苦しみの９を思いだし嫌っていた。永遠に続く苦しみが刻印されている様に思えて。最近、完璧ではなく、程々の数字が９だと勝手な解釈をしている。ブスであったが故に悪事に走る事もなかった。自惚れる程のものはなかったが、勘の鋭さは誇りに思う。誰も信じてはいないだろうが。私の唯一の才能でもある。