世界一貧しい人

ゲーテはやっぱ凄い。
友よ、ルンペンはルンペンだ。車に乗ったって、馬に乗ったって、徒歩だって。
はい、そこの君、意味分かりますか。分からんだろうね。顔見ただけで君はまさしくルンペンだ。
さぞかし君の家にはルイヴィトンやらエルメスやらの訳の分からん代物がわんさかあるのだろう。
ブランド品でお上品に着飾らなきゃ君は街も歩けないルンペンさ。
因みにゲーテの時代って車あったんだっけ。年代は１８００年頃なんかなぁ。
車っていつ出来たんだっけ。
そんなこたぁどうでもいいや。人間が貧しい、貧し過ぎる。私が男を変える度に友人だか知人だか知らんが、のたもうた。[男変わる度に質が落ちてない？]
そうなんです。過去を振り返り男をズラリ並べて、いっちゃん下を選んだ、と言うか、私は自分をこの程度のレベルと自認していた。しかるに人間は時をかければ、みな木々のように成長するものだとの確信のもとにだ。ところがドッコイ！これがまた成長しない奴もいるんだ。
さて最後にまたゲーテを引用しようか。[何かになろうと言う人はなく、みんなもう何かになったつもりでいる]
もう完璧に死んでるね。私は３０年もの間死人の番人だったのだ。息を吹き返す間もなく黄昏が訪れた。
世界一哀れなるものは誰か。何も愛さなかった者だ。