憧れた存在

自意識が無かった。否、通り越して私自身さえ無かった。私が憧れた人間は自意識の塊の様な人。憧れとは違うな。何故なら私が安らぎを覚える人は反対の人だ。無いものねだりに過ぎない。自意識の代わりに感度の良さが私の取り柄だったが、これは厄介な代物だった。苦しみは皆ここから、生まれたといっても過言ではない。心を閉ざす技術を身に付けたのも、感じやすい心を守る為にしてきた事。その技術を教えてくれたのが、自意識過剰の人間。ボディスーツを纏うが如く、自意識を纏う。誰にも傷付けられない強靭な自意識。ナルシスト。生きながらにして、死んでいる。

覆すもの

自然には逆らわないのが私の主義なんだが、覆すものがある。兎だ。朝起きると、待ってましたとばかりに小屋の出口に寄って来る。頭をなでながら、よぎる。こいつが食われそうになったら、自然の法則なぞ無視して相手を殴り倒すだろうなぁ。愛情を感じるものに対する私のエゴは凄まじいものがある。規則もへったくれも無いんじゃ！手に負えない野獣になる瞬間がある。自然には逆らわないが、私の中にも自然がある。愛と言う自然が。

集中力

物事に関心がある時、脳は勝手に集中する。無い時、辺りをキョロキョロ見渡す。面白い事ないかなぁ。この原理は他にも使い途がある。どうしても集中しなくてはならない時、如何にして面白いと脳を騙すか。脳はしっかりしてる様で、単純だったりする。暗示にかかり易い。都合の良い様に編集する。人間の環境への適応力も、編集能力のお陰かも。

愛する者から与えられた者

ガキが生まれた時、ガキが生きて行く為に地球が健在であります様にと、願いを込めて、エコーを始めた。その時、私の馬鹿旦那は(その頃には俺は死んでいる)多分、離婚を決意したのはこの辺りからかも知れない。考えの相違。話し合っても平行線が永遠と続き、疲れた。人を愛する事が出来ない人なんだ。漠然と期待していた気持ちが、スッカラカンになった。期待も希望もない関係から生まれるものは何もない。何年たっても変わらない自身を自慢している。生きている限り変化し続ける。希望はそこにしかない。頑固と意思とを勘違いしている。最近小説を書き始めたらしい。彼の脳味噌がなにで出来ているのか興味はある。私には理解不可能だから。

本当にそれでいいのかな

呆れてしまう事件が相次いで起きる度に気になるのが、メディアの方々のコメント。私には関係ない、安易な言葉に傷付く。同じ人間が犯した事件。ただ、人間は怖い。完璧でない私は人間そのものに恐怖を覚える。逆の場合も、同じ人間とは思えない偉大さに会うと、同様の気持ちになる。コメントしている方々は極普通の人間なんだが、メディアを通した時、何処かの勘違い野郎はまともに受けるんだろうな。さも、正論であるかの様に。人間の考える事に正論はない。あんたは神様かぁ！神様だったらもうチョイ謙虚だろう。すまんのう、わしが手抜きさえしなかったらこんな事にはならんかった。私の中の神様とやらは、申し訳無さそうにうなだれている。なんだか可哀想。人間の歴史はあらゆる罪で溢れかえっている。傷付く度に学んできた歴史がある。誰もが信じて疑わなかった現実を、絶えずひっくり返される。絶対的正義なんか無いんだ。あらゆる物事の前で私はただ、考える。何処かに人間の歩くべき道があるのではと。呆れるしかない物事の前で、取り返しのつかない出来事の前で、ロダンの考える人になり、身動きも取れず考え込む。この世界の地獄になす術も無く、
無力な人間である事を嘆く。