ヘレン、ケラーへ

あなたは可哀想な人なんかじゃない。ひたむきに生きているあなたから生きる勇気を頂いた。可哀想、そんな安っぽい同情の似合わない人。闘え、負けるな！過酷な宿命を背負い、冷ややかな運命を相手に戦うあなたは素敵な戦士でした。私もあなたのように生きて行きたい。強く優しくある事は常に自分との闘いでしかない。やせ我慢をしたくてしている訳じゃない。弱音を吐いたとこで何にもなりゃしない。 何でも武器にし、闘おう。憐れみの眼差しも頂こうではないか。普通であるが故に不幸にもなる事がある。恵まれないものは生きる為に大いなる努力と工夫を要する。 普通が幸せ！そう言える人は茨の道を歩いて来て言えるんだ。 上手く行かなくて当たり前な人生を歩いて来た人間にとって失敗は学ぶチャンスに過ぎない。 挫けない心、その心の前では如何なる才能も勝てはしない。それを教えてくれたのはヘレン、ケラーあなたです。

あなたに向けて

誰かに語るように書くのが最も良いのだろう。ところが私が語りかけるのは神様あなただ。返事はない。暫く遠ざかっていたのだが、やはりあなたに語りたくなる。私が言いたい事を誰よりも理解しているのはあなただ。あなたと私の暗号とも言うべき不思議な言葉。人間の言葉を覚えるより早く私はあなたの言葉を学んだ。意味も解らず、最初は不思議だった。今では不思議でも何でもありゃしない。生きて来た道すがらに確信だけが強く心を動かした。例え、それが私の妄想に過ぎなくとも手離しては生きる意味は無かった。あなたを信じる事はとても勇気が必要だった。現実的には有り得ない世界で私はあなたと過ごしていた。あまりにも長い時を共に生きた。幻であろうと信じる勇気が現実になる。 試されているのだ。如何なる時も私と共に歩けるか。全てを信じるには時間がかかった。

嘘を誠に変える。それが人間だ。如何なる生物よりも進化を遂げた理由に、人間の空想や妄想が新たな道を開く。 夢のままに終わるか実現するかは全て信頼からなのだ。

来る時に備えて

就職難と言われている。仕事があるに越した事はない。働かざる者喰うべからず、なんて言葉は古い。下らない仕事しかない世の中で働く意味なんてないんだから、飢え死にしない程度に生きて欲しい。但し、怠け者にならぬように。仕事だけが人を鍛える訳ではない。我が家の息子は１２年間プータロだ。彼が今何を考えているか詳しくは解らないが、朝、散歩をしているようだ。まだまだ希望がある。親馬鹿かも知れないが、私はあの子の本質を感じている。私の目に狂いはないと確信している。的外れになろうと信じていたい。焦る事はない。私は生きる為に焦り過ぎて道を誤った。 ゆっくりで構わない。 いい子なんだ。傷つきやすくて怖がりで、優しさを上手く表せないだけだ。誰より私が知っている。 何時かきっと何かを見つける日が来る。彼にはそんな繊細さがある。ぶっきらぼうで照れ屋。それでいいよ。 人間としての道さえ踏み外さなければ私は構わない。ゆっくり歩いて行け。

私の愛から生まれた花

ありがとう。今はあなたにそう言える。私に与えた苦難が花々に変わる。人と出逢う度に、全てはあなたが与えたくれた愛の結実に他ならないのだと知るのです。私が望んでいた果実は両の手からこぼれんばかりの笑顔になり返ってくる。行く手、行く手に人々が笑顔の花を手向け、祝福の笑顔振りまく。 私の人生の中でかって無かった幸を味わっている。 私はなんと多くの過ちに陥っていた事だろう。 あなたは私に人間の中に神を探しなさい、そう言われました。その意味も解らず探し歩いていた。笑顔、それが私の求めていた神なのです。私のすぐ側に眠っていた愛は今、目覚め幸せの意味を告げる。 あなたの笑顔が全てのものの喜びなのだと、囁く声を静かに聴いている。 何を愛しているのか。心からの愛は教えてくれる、応えてくれる。私はあらゆる物語の意味を感じているのです。 あなたが言われた人間の中の神は笑顔と言う花なのだと。私を幸せへと導く神であり、私自身が探し求めていた幸に他ならない。 これ以上の幸を私は味わった事はない。何もいらない。あなたの笑顔があれば幸せでいられる。あなた
が悲しめば川は流れ得ず、風は旅する事を止めるでしょう。 今でも鮮明にあの日のあなたの言葉を覚えているのです。 私はそれを見つけたのです。私だけの本当の幸せを。永久にあなたと共にあらん事だけを望みます。私の心からあなたが去り行かぬよう。 悪戯に私を苦しめていたのではないのだと信じて生きて来た事を嬉しく思います。迷いつつもあなたの愛に信頼を寄せていた。常に私はあなたの影を道として歩いて来た。その顔を見た事は一度も無く、時折聴こえる優しい囁きだけが確かなものだと信じていたのです。

本性

よっぽど死にもの狂いの努力でもしない限りこいつは変わらないだろうなぁ。一見理性的に見えるが中身は嫉妬や欲求不満の塊。ふざけた真面目野郎。 美味しいものが食べたいから一生懸命働く、人それぞれに働く理由がある。この男はそれがない。働くのが嫌だから好きな事を諦める方に向かう。いつの間にか煙草も止めていた。煙草は体にも良くないから止めるに越した事はない。ただその理由が問題なんだ。 遊びもせず働きもしない。真面目か不真面目に分けるなら不真面目な人生だ。悪党になる度量もなけりゃ善人にもなれない。とにかくこいつの頭の中は楽する事しか考えていない。 人間は食って、糞して死ぬだけなんて、さも悟ったような台詞を吐いたが、それはあんたの人生で皆あんたのような下らない生き方をしている訳じゃない。 言葉の裏と表。 楽しい人生には苦労がついてくる。楽な人生には何もついては来ない。何もしない、考えもしない、努力もしない。そりゃ楽だろう。 その結果が欲求不満かい。
人に迷惑をかけない？そうだろうね。あんたは人に迷惑かけたくてもかけられないんだ。死人だもの。 誰とも関わらず生きていりゃ迷惑もかけようがない。いてもいなくてもいい存在なんだから。 迷いも悩みもない人生なんて意味ないよ。迷ったり悩むから豊かな人生がある。寄り道や迷子になり自分なりの生き方を見つけるのが人間だと私は思っている。ところがあんたはもう出来上がっちまってるって訳だ。私は墓場の番人になる気はない。あんたの側にいたら気分は滅入るし、考えがどんどんマイナス思考に傾く。 ちったぁ変化すれば生きているんだと分かるだろうが、私の知る限りあんたは全然変わってないんだよね。そりゃ飽きるわな。死体なら土に帰り消えていくが、生きながら死んでいるんじや始末に負えない。 今の私の希望はあんたの側にはいたくない。それだけ。その為ならなんだってやる。 あんたは何かの為に命賭になった事なんてないだろう。人生は賭なんだ。一か八かの勝負なんだよ。 無難な人生を歩いてきたあんたにゃそんなスリリングな気持ち解らないだろう。最高さ！死ぬか生きるか神のみぞ知る。自
分の度量を超えた事に挑む時失敗はつき物。上手く行く方が奇跡なんだ。一回や二回の失敗に懲りて何もしない人生なんてナンセンスだね。どうせみんな死んじまうんだ。どうせなら面白可笑しく生きた方が人は喜んでくれる。