一つだけの希望

単純だったなぁ。生きたい。それが私の願い以前の欲求。風呂に入った記憶も布団の上で眠った事もなかったが、他人を妬んだりしなかった自分が好きだ。 今は毎日風呂に入り、着替えをする。それが当たり前になってきたが、時折昔を思い出し感謝する。何もないけど幸せだと。 だけど人間は何時しか苦しかった事さえ忘れ、もっともっとと求めだす。あれもこれもと。そうなるのが怖い気がする。否、苦しいのはあれもこれもと求める心だ。生きたいとだけ願ってた頃苦しみを知らなかった。

集団に向かないんだ

働く事はこよなく愛する。集団に入る事は協調性を重視される。協調性なんてなくても協力する事で構わないのにと思う。協調性って何？誰に強調する必要がある。あなたはあなた。私は私。異なる人間が互いに協力し、成す事で築けるものがある。それで充分じゃないか。違う人間同士だから得るものもある。私には協調性の意味が分からないのだ。その必要性も。人間は孤独に生まれている。誰かの孤独を埋める為に誰かを犠牲にするなんて馬鹿げた話だ。みんな寂しいと感じているから優しくもなれる。寂しいのはあんただけじゃない。私はあんたの都合のいい人間にはなれない。

無意識

人と関わらず生きたいと思っていたのか、子供の頃何かになる事より、山の中でも暮らして行ける職業として漫画家になりたいと考えていた。勿論漫画は好きだったがそれは手段に過ぎない。今は又違う思いがある。人と関わるのは今でも嫌だが触れ合いを喜びと感じている。 多分私自身が触れ合う事を感覚として知らなかった。寂しさから様々な人と関わりは持ったが触れ合うと言う段階に至らなかった理由の一つに私自身が心を無意識に閉じて別人になってた事もある。関わりと触れ合う事の違いを教えてくれたのは人間だ。時折思い出す人とは触れ合ったと感じたものがある。全てではないが心のほんの一部が何かの拍子に微かに触れ合う。驚きと戸惑いの後に気がつく。共犯者のような気分になる。 人間の中に神がいるとしたら多分一人の人間を愛するもしくは何かを純粋に愛する心なのかも知れない。

言葉とリズム

ある特定のリズムを感じると言葉は勝手に後から付いてくる。正しいリズムには何らかの法則があり間違えようがない。 言葉を探しているうちは何も書けない。絵も同じだ。 全ての芸術は深い所で繋がっている。芸術を理解する者ならそれが本物か偽物かの区別はつく。如何に姿を変えようと、息吹きは変わらない。 未来や過去にも捕らわれず今、生きている事だけを感じているなら、何時でも聞く事が出来る。 私達人間をその世界から遠ざけるのは欲望と不安だ。 リズムが良きものなら自然に聞こえてくる声がある。生き方からなのか日常の過ごし方なのか、両方だろう。 島で過ごした私は都会の雑音も大人のお節介もない環境にいた。悪く言えば孤児のようであったが、あの頃聞いた声は不思議に今でも記憶に残っている。潮風と過ぎゆく風の音に乗り聞こえた声は自然の奏でるリズムだったのだろう。忘れられない声はあの頃聞いたものばかりだ。 人間の営みも自然から離れては有り得ないのかも知れない。

言葉とリズム

ある特定のリズムを感じると言葉は勝手に後から付いてくる。正しいリズムには何らかの法則があり間違えようがない。 言葉を探しているうちは何も書けない。絵も同じだ。 全ての芸術は深い所で繋がっている。芸術を理解する者ならそれが本物か偽物かの区別はつく。如何に姿を変えようと、息吹きは変わらない。 未来や過去にも捕らわれず今、生きている事だけを感じているなら、何時でも聞く事が出来る。 私達人間をその世界から遠ざけるのは欲望と不安だ。