家族

それは血の繋がりではない。同じ環境に育ったから同じ感性を持っている訳でもない。感じ方は人それぞれだ。もしかして家族と呼べる人は今は亡くなった人であるかも知れない。家族、それは人が帰るべき家を教えてくれる存在かもと思う。それがなくては人は帰れない。寂しくなると私はリルケやゲーテ、ビィクトルの言葉に触れる。少しだけ安堵する。何時か私も家族のもとに帰る日が来る。私が私らしく生きれる場所そこが私の家族が憩う場所だ。家族の意味が分かってから私は人に理解を求めなくなった。言葉ではないもので私達は繋がっている。時も距離も関係なく私達は共にいる。永遠に。それが本当の家族だって思う。

大切なもの

夢の為に今日を失う。ならば私は夢なんて見ない。今日を喜び迎え明日は私の預かり知らぬものでいい。何かになるかどうかなんて私が決める事ではない。私は与えられた今日を生きるだけ。その先は未来と言う空間で私を待っているだろう。夢のない人生なんて、絶望的に思えるだろうね。だけど私は信じているものがある。過ぎゆく時を惜しむように生きる事。それだけが命を満たす。夢の為に私を犠牲にするなんて馬鹿げている。 死んだ後にわかる価値もある。金の為に生きてる訳じゃない。金は結果に過ぎない。生きてる間貧困に喘いでいた人も死後に価値を認められる。馬鹿めが！節穴だらけの人間。

幼い日の中に

行き詰まると振り返るものがある。あの日私はどうして暗い森を駆け抜けられたのかと。暗い夜道を歩きながら時折バスのライトが道を照らす。私の人生はこれに似ている。普通人間は未来を考え生きる。安全と安定を求める。私は生きてる事を感じれる生き方を探す。それは幼い日の暗い森に似ている。目は開いていても闇の中では役にはたたない。感性だけが頼みの綱になる。後は私の運命と宿命にかかっている。運が良ければ生き延びるだろう。

触れる心

本当にたまにだが人の心に触れたと感じる時がある。本もそうだが、心とは何をさすのだろう。触れ合ったと感じた瞬間に言葉を失い、ただ頷く。静かに深い海の底に沈んでゆくような心地よさは眠りに落ちる時の感覚に似ている。何時、眠ったのかさえ記憶に無く、目覚めると夢の中を漂っていたように現実から遠い世界にいる。このまま夢の世界の住人になれたら良いのだが、現実は私を急かす。生きねばならないのだ。他に何を望む。時折、触れるものは私が生きている証だ。人が感じる事のない微かな気配に怯えたり、幸せの予感に酔いしれたりする。明日は苦しい事がくるだろうが、今は幸せの中にいる。ずーとそこに留まっていれば幸せさえ解らなくなる。 そんなものかも知れない。暑い日には木陰がオアシスになる。寒い時はその逆だ。幸せの意味はその人の人生の中にある。平坦な道を歩いて来た者は平和に飽きたらず、刺激を求める。それが現代の病にも思える。中途半端な生き方は何らかの刺激で生きてる実感や幸せを味わおうとする。絶え間なく刺激を求める。しかし、それは魂までは至らない。魂は常に餓えたまま虚しい欲望に身を任せるしか知らない。
心などありはしない。それが無くては私達人間は魂の領域にはたどり着けはしない。

協調性

素敵な空気になら自然に強調する。 暫く旦那と別居していた頃、最初は戸惑った。旦那の意識に合わせた生活が自然に身についていた。自分なりの生活様式を取り戻すまでの葛藤が暫く続いた。あのまま旦那の意識の後ろに隠れたままだったら、生きてると言う実感は決して持ち得なかった。 一つの船に二人の船頭はいらない、彼の口癖。生きて行く上で人は迷ったり悩んだりするのが普通と今は思うがあの頃はそうではなかった。 言葉には裏と表がある。 自信たっぶりな姿勢の裏には自信の無さが隠れている。無闇やたらに謙遜する人も同じだ。誉められら素直に頂いておけば良いものをやたら謙遜する。勘違いしてない。誰かに褒められってあなたはあなたなんだ。人の言葉であなたが別人になる訳じゃない。他人がどう思おうが誰よりあなた自身が知ってるはず。 時々私は自分の本心を偽る。だけど心の中で私は真実を知ってる。知った上で偽りを言葉にする。言ったとこで何になる。何も変わらないのなら、かえって心を傷つけるだけなんだ。 分かっていて誰にもどうする事も出来ない時に無闇やたらに強調されたら
かえって悲しくなる。分かっているんだ。誰かが解決する問題ではないって。分かっていて言葉にする時、笑いとばして聞いてくれたら救われる。協調性って同情する事ではない。オウムのように同じ素振りをする事でもない。互いに生きる方向に協調性を持って行けると良いね。そう言う協調性なら自然に命の奥底を揺さぶり動く気がする。