馬鹿な奴

これがあなたが望んでいた世界か。自分の思い通りになるような操り人形を望んでいたのか。
[昔は上手く行ってた]何が上手く行ってたんだか。
会話も相談も笑顔もない。何の為に他人と暮らすのか。
地球が太陽の周りを巡るように私は無意識にあなたを中心に巡っていた。
一人になり、巡っていた星を失い、暫く不安定な日々を過ごした。自分を取り戻すまでの航路を振り返る。
狂っていくような感覚すら覚えた。狂うくらいなら死を取る。
世の中と関わりつつ自分の世界を保持するのは寂しいを超えて孤独なものだ。だが、今更手放す気にはならない。
他人と上手く付き合うより、まず自分と向き合いたい。他人の中に溶け込んでいた時に身に付けた衣装を今は自分の意志で選択する。
古いアルバムを開くように過ぎ去った時の中で私が身に付けていた衣装の数々を懐かしむ。
悪くは無かったがやはり自分らしい衣装を身に付けたい。
人から愛される為にでは無く。
私はここにいる！静かな叫びだ。
自分がある人間は操り人形などを愛したりはしない。
頑固と意志を履き違える。愛と欲望を履き違える。アンバランスは好きだが、あくまで計算された美だ。