知らない幸せ

知らない方がいいのか、知った方がいいのか、人によりけりだ。嫌な夢を毎晩見ていた。知らなければ今でも夢にうなされていただろう。同じ夢を繰り返し見ていたのだが、パッタリ見なくなった。夢は見ないが現実が以前より辛く感じる。どっちが良かったのかは解らない。夢は人が認めたがらない真実を伝えようとするらしい。 執拗に見ていた夢が懐かしくなる位最近あの夢は見ない。見なくなった夢は他にもある。繰り返し、繰り返し、訴えるように見ていた夢は何を伝えようとしていたのだろう。何の必要があったんだろう。 人の心と心を音もなく流れるものに気がつく。私が夢を見なくなってから、流れる時と思いを切実に感じる。脇目もふらず走り続けた時に見落としていたものに気づく。 心を開いていると不思議な事に通じる人に会う。一方的ではない心と心の会話。心が触れ合うのは一方的では不可能だろう。互いに信頼があればこその奇跡に思える。