役立たず

物書きは自己嫌悪の塊だ。生まれてきてすみませんと言っていた太宰は偉い。過剰な程自己を意識していたんだろう。役たたず。畑で汗水垂らして働いている人間が羨ましかったりする。今日の糧に感謝し細々と生きる。理想だ。しかし、中には見なくてもいいものが見えたり、聞こえたりする厄介な性質を持った生物もいる。自分にだけ見える世界は薄気味悪い。非常に孤独だ。あらがい難い意識の辿り着く先は発狂か自殺。うまく行けば抜け道が見つかるだろうが、孤独が道連れと言った所だ。厄介だが否定する事は自己を亡きものにするに等しい。