語らぬもの

何も言わない事を利用して、好き勝手にしてきた付けは大きい。汲み取る力が無かっただけ。今更、己の愚かさを呪ったとて何になる。どうしょうもない事にこだわって、全てを棒にふるのは御面被りたい。素直に間違いでした。認めたい。其処から又歩き始めたらいい。誰が人間を創ったか知らないが、過ちを許さない程、狭い存在ではないのだろう。 そうだ、アダムとイブはたった一回の過ちでエデンを追われたっけ。多分仕組まれたんだな。人間は過ちを犯す者だと、教えてくれたのだと思う。完璧でない事に気付いて欲しかったのだろう。随分思いやりのある存在が人間を創ったものだ。

視点

かって私はあらゆる人の視点で物事を見ていた。それは悪い事ではない。勉強になった。喜んでくれもした。だけど私は貴方方を喜ばせるのにウンザリしてきた。生意気と思うだろう。これでも随分、下手にでたつもりなんだが。いい加減嫌になった。誰もが賛成しそうな綺麗事並べ、書いた文書に虚しさしか覚えない。言葉ひとつで、いとも容易く騙される連中に本心を話したとて、虚しい。この命が溢れるままに生きる。 死ぬならお前と供に、そう願い続けた。ただ、勇気がなかった。私も本当は意気地無しなんだ。そんな自分に心底嫌気が差しただけ。

光る目

暗黒に鋭い光を放つ目がある。野獣の目。怯えていた頃がある。私の中の暗黒の目である事を知った。解き放つ事が出来ず、閉じ込めていた。お前も待っていたのだろう。私の力が衰えるのを。だが、私はお前をしもべに選んだ。私によってお前はコントロールされる。残念だったな。お前は私を飲み損なった。手遅れなんだ。お前に勝ち目はない。おとなしく闇を携え佇めば、闇は光を浮きぼらせる、本当は仲たがいしてはいけないのだから。ただ、お互いに誤解していただけの話。隠れんぼうはおしまいだな。

すぐ解る

鏡にお前のケツだけが写っている。不思議だ。それだけでお前が解る。随分長い付き合いだから、目を閉じていても解る。暗闇の中でもお前を探し当てる自信がある。何処にも隠れようがない。無駄なあがきは止めにしないか。それに隠れんぼうにもソロソロ、飽きてきた。ガキの遊びはおしまいだって事。解っているのに、まだ遊び足りない子のように夕暮れに佇む。

独裁者

私には感情があり、心があり、肉体があり、理性があり、それらは私の大切な友である。けれど時には、切り捨てるしかない時もある。それぞれに役目がある。生かす為に殺さざるを得ない時もある。そうでないと、ただ悪戯に混乱を招くだけだから。何かにすがる時は過ぎた。立ち上がって闘うべきなんだ。誰かが何かしてくれるなんて待っていたら、逆に利用されるだけって事にきずかなくてはいけない気がする。 本当に愛する勇気があるなら、気付く。愛されたいと願っている限り人は失う。愛されるにも闘いは避けられない。自己との闘い無くしては愛はただの戯言に終わる。