脳味噌の世界

何でもない事も脳味噌の中では自由自在に形を変える。パターンが無くて、蛇足にしかみえないが、遊び心があっていいな。現実に飽きてきたら、脳味噌は一人遊びを始める。さしずめ、砂場で訳の解らない物でも作ってんだろう。一人遊びをする脳味噌を見ている私は親心で見ているのだが、余りの間抜け振りに、つい口出しもする。なんでもそうだが、人間の想像力は素晴らしい。が、油断していると暴走する。脳味噌に限らず、心も感情も、目を離したらとんでもない所に行く。そこが人間の面白い所だと認めてはいるが、楽しめる位ならニコニコ笑ってられる。暴走を始めた諸要素を制御するのは、脳の中の司令官の役目なんだろうな。ヒットラーみたいだと怖いな。不都合は皆ガス室送り！人事ではない。現代人は合理主義だから、案外似た様な事してるかも。角度を変えて見ると、あれ！ヒットラーにそっくりじゃん。

我が家の温度計

ベロンと伸びきった兎は暑さのバロメータ。兎とは思えない位伸びて、グデーとなる。よっぽど暑いのか。最高気温のある日、小屋を見ると何時もの時とは様子が変。死んでるのかと、焦った。名前を呼びながら体を揺すったが反応がないのだ。あ～死んじゃつた。私の悲しさがピークに達した頃、ムクッと動きだした。むしょうに腹が立った。お決まりの台詞がつい出る。呆け！寝惚けてんのか。でもホッとした。毛皮着てるから、余計暑いのよね。ファスナー付きだったら良かったのに。と思う時がある。

気になる奴

最近チョツと気になる奴がいる。足骨折でお世話になっている間抜けな医者。会う度に妙な親近感を覚える。敵も最初の警戒心が薄れたのか気さくな笑顔が少年の様な顔で、間抜けな話しを気にも留めず会話が成り立ってきた。病院は好きではないが、間抜けは面白い。ルンルン♪気分で行ける所があるのはいいもんだ。予約の日はデートに行く気分。嫌々ながらは嫌いだから、楽しく過ごしたい。しかし、それも後少しで終り。まっいいか。会いたくなったら又怪我すれば会える。好奇心の前では痛み位なんて事ないもんだ。

自分で言うのもなんだが

若い頃はもてた。今でも、もてる。間抜けでボーとしてるから声掛けやすいのだ。誘われたら余程でない限り断る事はしない主義。ホイホイ乗る。隙だらけに見えるのはいいもんだ。勝手に魚が網にかかる。捕まえたはいいが、煮ても焼いても食えない。いいのか、悪いのか、私にも解らない。隙がある様で、全く隙がない。自分でも気が付かない事を人は教えてくれる。私はどんな世界にいるのだろう。相手の視点を透し、自分の世界を想像する。ある一定の距離迄は全く無防備なペットなんだが、そこから先には入り込めない。ガラス張りの中にいる私が見える。私からも他人からも、壁らしきものはない。捕まえようと思えば容易く捕まえられそうに見える。が、結局、ガラス張りの外側をグルグル回り、諦めて行く。動物園の熊ではないが、観察しているのは私、なんだ。人間の動きを別世界から、見ている私がいる。

命の琴線

感性と言ってもいい。人間になる迄に、心の琴線はあらゆる音楽を奏でたであろう。人類誕生から時を経て、奏で続けた懐かしい音楽がある。普遍なるもの、心の琴線。芸術や音楽など様々な形で存在を証したであろう。マイケルの音楽にも確な神の証を感じた。今のマイケルには最早感じる事はないが。彼も持っていたのだと懐かしい気がする。一度手に入れたら失う事はないと、勘違いしていたのが、悲しい。琴線は錆びて行くのだ。妹のジャネットはその事を知ってた気がする。彼女の素晴らしい所は、保持する術を知っていた。聞き慣れた音楽が何処から奏でるのか。音楽だけではない。心を揺さぶるものには、神聖としかいい様の無い存在が語りかけている。一度でもその声を聞いた者は忘れる事はない。奪われる事はあってもだ。ジャネットは守り通す。私にはそんな気がする。賢い人だから、大切なものは手ばなさない。