まっいいか

何時もとチッと違うなぁ。死ぬのかなぁとぼんやりよぎるのだが、まっいいか、自分を越えた何かがあり、それは私などのおよびもつかない存在で、今更じたばたしたところでいいことなんてひとつもない。使わないで済むならその方がいい時だってある。使わないに越した事はない、が知ってると言うのがいいのだろう。

バランス

本を読むのは好きだが、それだけでは何も得られない。歩きながら考えるが私の哲学だった。言葉が血となり肉になるには頭だけでは出来ない。仕事は何でも良かった。頭に蹲る意識を解放する事で確なものも見えてくる。八方ふさがりの人生を行きてきた私が身につけた脱出方が考えないと言う時間を持つ事だった。何かに委ねるように無になる。本来あるべき生き方がおのずと見えてくる。私と何かが一体になる。幾度か不思議な経験を味わい、道のようなものがあるのだと思う。全く会った事もない人間に懐かしさを感じるのは、同じ道を歩いた痕跡がみしらぬ人の中にある。現実にはない不思議な道を。見えないが確な道が人間の中にはある。

届かぬ想い

言葉は届かない。意識さえも、沈黙の中に微かに見え隠れしては深海魚のように帰って行く。ふっと、人魚姫の物語りがよぎる。言葉にならない想いがせつないのだが、言葉にすれば溢れる想いも消えて行く。複雑に絡みあった糸をほどくと、あっけない気がする。ほどけないままがいいのかも、もどかしさを抱えながら、自分にいいきかせる。割りきれないのだが、だから大切に思う。

誘って頂けますか

博打好きな友人に誘われ、パチンコにのめった時期がある。今思えば馬鹿らしいのだが、あれがきっかけになり、ある意味の突破口が出来たと思っている。虚しいと思う気持ちから必死になり探し続けたものがある。あの時友人の誘いに乗らなかったら、迷いも無く歩いただろう。私の財産は何だろう、そう問うとき、経験に他ならない。経験を通し私が感じたものが私の心の深みにある。息をするように時を変え、姿を変え生まれ来る。

違うんだ

人の心が読めると言うより、感じているんだ。同じように他の人も感じていると思ったのは思い違いで、人間が鈍感だと解ると嘘が楽しくなってきた。言葉のどこかに隠された本心。このくらい見抜けない人間なら、大したことはない。そう思うようになり、言葉が楽しくもなった。私の父は嘘が下手だった。自分で嘘と気がついてないのは、嘘ではない。私は何と無く感じていた。父のいっている人間は父ではないことを。父は分裂していたと気付いたのは大分後になって。それで諦めもついたし怨みごとを言うだけ無駄だと、解った。