唯一の取り柄

ファミレスがやたら増えた。取り柄と言えばゆっくり時間を過ごせる所。長時間いれば腹も減るのだが、メニューを見ても食べたいものが全くない。店員はマニュアルがそのまま服を着て歩いている。近い将来ロボットが店員になる日もくるだろう。その日を楽しみするしかない。不細工は許せるがワンパターンの言葉にはいささか飽きてくる。しみじみ昔の喫茶店を懐かしく思う。コーヒにもそれぞれの味があり、なによりコーヒ好きの人が経営していた。今では金が全てだ。悪い所ばかりではないが、コーヒが特別不味い。

人間嫌い

基本的には人間嫌いなんだと思う。言葉が上滑りで、どこかの本の中から引用した言葉は父の戯言を思いだしてしまう。人の悪口を言う人間ではなかったが偽善的な人間性には魅力は感じる事はなかった。天使みたいな人間がいる訳はない。人間の中にはあらゆる邪悪なものが潜んでいる。他人から良く思われたくて善人を演じれば何時か人間は破綻するしかない。天真爛漫な悪魔であれ。不幸に対しては絶望しないが、退屈には絶望する。

人の人生は生きれない

死んだ人の分まで生きなくてはならない。随分安易な考え方だ。誰も人の人生は生きれない。非常に道徳的発想。人間は自分が理解しうる事しか理解しない。正しい解答はおそらくないと言うのが私の結論だ。

帰る場所

ゴッホはこの世界をどんな思いで眺めていたのだろう。疲れました。睡眠薬を多量に飲んで眠ります。明日目が覚めなかったら、消えたように静かに見送って頂けますか。この世界を素晴らしいものとして、なお与えられた命にも意味はあるのだと思いたかったのですが、出来ませんでした。自ら命を絶った人々の事を考えていたのですが、多分寂しかったのでしょう。分かち合う者も居ず、感じるものもない世界に疲れていくのだと思えます。何も感じず生きる事が当たり前に思えたなら良かった。私の目にも心にも世界は暗く闇にしか見えない。生きる為に私は空想の世界に戯れました。この世界とは関わりのない世界。そこが私にとっては最も安らかな棲みか。おやすみなさい。

言葉は虚しい溜め息

語れば語るほど心から遠く隔たる。心は語らない。語る言葉を心は知らない。立ち現れるものの全ては言葉を越えた世界を見据えている。人間の知識が誤解を招く。心よお前は死を恐れはしないのだろう。私の肉体を抜け出し新たな生命に宿る。お前の存在が時に苦痛であるのは、誰もお前を信じなかった。あらゆる苦難にさらされながらもお前が私を見守り続けた結果に他ならない。全てを見透かす心は人間には不気味な存在だっただたたろう。偏見と欲望にまみれることを許さないお前を私は誇りに思う。お前の願いの前では人間は道化役者を演じているにすぎない。彼等にとってはそれが価値あるものである事は否定することをできない事も心得ているつもりだ。私とはあいいれる事は決してあり得ないのだが。命の使い方は個人の自由だ。何も正しいものはない。人間を生かし続ける要因は様々なのだから。