空間と未来

探しものは何処にあるのだろう。 何を探していたのかさえ分からないのに、心は乾いた砂漠をさ迷う深海魚のように大地を這いずっていた。オアシスか、灼熱の太陽の下か。私が死に場所と決めたものがある。焼かれて死ぬも良し、願わくば憧れの我が夢のオアシス。 砂漠を這いずる私に旅人は言う。お前の住む所はここじゃない。早くお帰り。だが魚は首を振り灼熱の砂漠を這いずる。どうせ死ぬなら太陽の下、求めるオアシスの中。いずれかでしかない。砂漠を吹き抜ける風が囁く。 オアシスに行きたいのなら、君の感性が教えてくれるだろう。 苦難の究極は無の心。 熱風がすり抜けると微かに聴こえる囁きは命の強かさが奏でるミューズの息吹き。

日々に誘われ

毎日の生活のリズムが大事なんだ。無理しろと言ってる訳ではない。時間がないなら仕方ないが、あるのにしない。洗濯物は畳んだ方が気持ちよい。家の中は綺麗に越した事はない。気持ち良く暮らしたい。貧しいなりに生活の工夫で豊かにもなる。ごちそうさま、ありがとう。ささいな事から築かれる未来は信頼が持てる。 出先で昔の知人によく会う。私が築いた人間関係が希望に変わる。

大切なもの

今日は病院に行く。金銭的な余裕が無く病院も行ってなかった。不整脈が頻繁になってきたが、ちょっと横になると収まっていたのをいい事に横着し、ずぼらをかましていた。死ぬのは一向に構わないが、生きながら死んでいる状態を思うとゾッとする。ただでさえ私の脳味噌は妄想が茂りやすい。寝たきりになれば妄想の虜になる。妄想も悪かぁないが、羽ばたけない妄想は翼をむしりとられた蛇だね。藪をくねくね這いずるなんて性に合わない。まどろっこしいのは嫌いだ。 不整脈もたまにはいいがこうも頻繁に来ると、つい質問したくなる。 殺すなら殺しやがれ！質問ではないか。やけくその叫びだ。 それでも私は死なずに生きている。 殺さない程度の苦しみは最も残酷だとも思うのだが、不整脈が治まった後に感じる開放感は快感だ。 苦しみもあればこそ幸せもる。 多分、私の神様はそう言いたいのだろう。山と積まれた苦難もちょっとした事で至福にもなる。幸せな人間とは誰か。99パーセントの不幸と１パーセントの幸せだ。

手を差し伸べ

そう言う気になるのは頑張っている奴だ。努力もせず屁理屈と不平不満を並べ立てる奴に誰が手を差し伸べようと思うもんか。そんな奴がいたら余程のお人好しだろう。 先日パチンコ店で横に座ったおばさんは自分がいくら使ったかをしきりに話す。私が同情でもすると思っているのか。大体パチンコで勝てると思って来る方が間違っている。別に気の毒に思った訳ではないが、飲み物をおごった。憐れみからだ。こんな奴に限って他人の不幸には鈍感だ。自分だけが苦しいとでも思ってるんだろう。たまに気分転換にパチンコに行くが、勝つ時もあれば負ける時もある。当たり前だ。パチンコ店もボランティアではない。私が勝った時は誰かが負けている。誰かの犠牲の上に成り立っている。 飲み物をおごり、一言付け加えておいた。パチンコ店で勝とうと思ってくる方が可笑しいんだ。そう言うとおばさんは金がないからと言う。ならば来るな！ しきりに私に同情を求める輩は他にもいる。以前ならかわいそうに思い手を差し伸べたりもした。一回や二回じゃない。ところがどうだ。自分が調子いい時には全く知らん顔だ。自分さえ良ければ、その心が情け
ない。 勝手に地獄でも味わう事だな。自分勝手な人間に手を差し伸べた所で本人の為にはならない。他力本願で人の憐れみを買う事しか知らない貧弱な心の持ち主には人の好意は無償の愛に見えるのか。そんなものありはしない。困った時はお互い様の気持ちがなければ幸せにはなれない。不幸の最もたるものは自分の事しか考えられない事だろう。勝手私の知人は自分の女房に手厳しい一言を投げかけた。 君は人のものは自分のもの、自分のものは自分のものでしかない、と言った。自分の事しか考えられない人間は砂漠のようなものだ。人から奪う事で得をしたと勘違いしているのだろう。実際は与える事こそ奪う事だ。 ぐうたらな奴は優しい人にすり寄る。まっ、中にはお人好しもいる事だろう。自分の事しか考えられないから上手く行かない時もあるなんて余裕のある考えが出来ない。 世の中あんたを助ける為にだけある訳じゃない。 ガキじゃあるまいし少しくらいお互い様の気持ちになったら良いのにね。 最近、自分勝手な人間は滅びの道を自ら歩いているように思う。 人生は何時、何が起きるか分かりはしない。
だけども一つだけ言える。人間も捨てたもんじゃない。ひたむきに生きる人に冷酷になれる程人間はおちぶれてはいない。

素直に

意志と言う程高尚なものではない。アホか！そんなところだ。感情的だね。侮蔑を感じる言葉を何度も聞かされ、何時しか自分でも感情を切り捨てていた。私の中に正しいと言うものがあるとしたら私の感情だ。嫌いと思うものは私の身に付かないし、私の役にはたたない不要品に過ぎない。好きと言う思いで行動すれば時には苦しい目にも合うが、長い目でみると良い結果を導いている。全てがトントンびょうしに行く訳じゃないが好きから歩き始めた事には後悔がない。上手く行くからじゃなく、好きと言う感情が私の知らない世界への案内人だと思う。 後悔はしたくない。振り返り見ると間抜けな私がいる。無我夢中に歩いた私を愛おしいと思う。思考は後から付いてくる。本当の意味を知るのは行動の後だ。後悔先立たずと言うが、感情に導かれ歩く私に後悔はない。儚い花だ。 パッと光り消える。