空への梯子

ガキの頃空に梯子をかけたら空の果てなるものに辿り着けるような気がして、真剣に考えたもんだ。その為にいくつの梯子が必要なのかなんて事を数えていた。まさか宇宙が果てしなく続いているなんて思いもせなんだ。ガキの頃の私の頭の中は意味不明だ。知識は本当に豊かさに繋がってるのか、疑問ですな。 ガキの頃を振り返り、知識が無かったが故に豊かであった部分が大いにある。 知識は私をエゴイストにしただけだ。 さも知ったかぶりを演じるより無知を演じる方が得るものがある。見知らぬ地が好きな理由もその辺りの心理だなぁ。よそ者だから知らなくて当たり前で許される。知っていて当たり前は思いやりだけでよかばい。空への梯子もいいが、今は人の心へと梯子をかけたいものだ。小さな宇宙である君の心へと。君と私の間には小さな橋がかかっている。その橋を渡ると懐かしい友がいる。

まだ道は続く

生き方などと大袈裟なもんではないが、これ以上先に行く事が困難になると感じる時がある。ここまで歩いてきた私の誇り、私を支えてくれたもの、それらを汚す事を恐れる。命のある限り生きていたいとは願うが、道を踏み外してまでは望まない。ここまでの道が私の誇りだからだ。がむしゃらに生きて来たが人に顔向け出来ないような事だけはしなかったと誓える。 後ろめたい生き方は出来ないし、そんな自分は嫌いだ。このあたりはソクラテスの気持ちも分かる。生か死か。二者択一の時がある。譲れない思いなんだろうなぁ。 ソクラテスの意志に対して私は死ぬのは卑怯で弱いからだとは言えないのだ。うん、分かった、でしかない。 人により尊厳は違いまんねん。 気持ちが通じていたら相手の意志の尊重も出来る。

頷きながら、はてな？

マザーテレサの言わんとしている事は良く分かるが、私はマザーとは違う性格だ。優しさとか愛とかを考えていた訳でなかったが、振り返り思うとマザーと同じ事を無意識にしていた。その結果、私はズタボロになり、自分について考えるようになったんだが、どっちが良いかは今のところ分からん。無意識だった頃の私の方が好きだが、今更あの日には帰れはしない。 若い日の私を馬鹿だなぁとは思うが嫌いではない。とことんお人好しで来る者拒まず、去る者追わずで、居候は日替わりメニューのごとく変わっていた。今頃どうしているやら。居候のせいでアパートを追い出されたりもした。それも気にしなかった私は今考えると本当に間抜けかも知れない。 札幌では寝る所のない人をつれて帰ったりもしたが、無事に今日まで生きてこれたのは案外神様に守られていたのかなぁと考えるこの頃。マザーと同じ気持ちだったが、マザーと私は性格が違う。マザーは神様のお嫁さんだが私は悪ガキの部類だ。気持ちは同じなんだがなぁ。

理想主義者

自転車で片道20キロを走り目的地につくと一時間。車で通っていた時には早く目的地に着くのが良しと思っていたが、実際は目的地なんてどうでもいいのではと思うようになった。今を楽しめるか、苦しいなぁと思いながら、どう捉えたら楽しみに変える事が出来るんだろうか。そんな事を考えながら走る。うん！体を鍛えてると思えば良い。苦しい時こそどこかしら鍛えられている。 これは私の言葉ではないが、バスの終点地で休憩をしていた運転手さんは私と話しながら、あんた理想主義だねと言う。仕事を探し現実の中を闇雲に走る私のどこが理想主義ですかと聞いた。 現実主義は諦める事らしい。これには納得した。確かに現実に満足できないから走り続けるのかも知れない。 いい事言うなぁ。私自身、自分が理想主義だとは思った事がない。しかし、運転手さんの言った意味でなら私は確かに理想主義に入る。 気持ちが先に走っているって嫌だと思っていたが、気持ちに引きづられてかどうかはわかないが、何かにせかされるように走っているのだけは分かる。それは素敵な事だと言ってくれた。 理想と言っても括弧とした形が
ある訳ではないが、もっと違う自分になりたい。昔の自分を保ちながら小さくなった無数の自己を増やしたい。そんなとこかな。小さな家に小人がわんさかいる、イメージにしたらそんな感じだ。私はその家の主であり、小人たちの親なのかも。悪ガキがわんさかいるっていいもんだよ。 おまえらいい加減にしろ！毎日が悪ガキとの闘いなんだが可愛いと思う時私の心の余裕を感じる。 かくして悪ガキは今日も走り回る。

その日の天使

誰かさんが私にくれたハガキの意味を知る。自転車で見知らぬ土地を迷っていると、楽しい出逢いがある。心ときめく出逢いは、まさにその日の天使がぴったりくる。だが、天使ばかりとは限らない。いいことと悪い事が交互かな。それでもその日の天使に会いたくなる。数打てば当たる。挑戦する事が大事に思う。 私これで結構デリケートなんだが、それを超えて好奇心が勝っている。 いろんな私がいる。出逢いの度に私を感じる。