見えぬ愛

後から理解できることもあるんだから、急がないで自分が立つべき場所にしっかりと根を下ろせば自然と見えてくるものもあるんだよ。
何かになりたいとか考えないで、明るく太陽のように、月のように優しくありなさい。
思い込みで突っ走ってこけたって笑ってりゃいいんだ。
自分の人生だもの。あなたが楽しかったら後から幸せは付いてくるんだよ。
何かになるには小さな１日を沢山積み上げることなんだ。
きっと自然が教えてくれるから、焦っちゃ駄目なんだ。
一番良くないのが焦りなんだね。何も見えなくしてしまう。死ぬかも…まで追い詰められても、まっいいか位の気持ちでドーンと行け！
武士道とは死ぬことと見たり。
死んじゃおしめぇだけどな。

音楽の不思議

風に乗り、聞こえ来た懐かしのふるさと。今、あなたと分かち合った歌を聞いています。あなたを知る前は味気ない歌に過ぎなかったものがなんと言う変貌。
私に最も相応しいと思い、選んでくださったのだと思ってもいいかしら。
私もこの歌が一番好き。
辛い時はいつも歌っていました。勝手な歌詞をつくり、夜道を歌いながら歩いたものです。
誰にも打ち明けるを許されない心も歌になれば、口ずさんでいただけるのですから。
過ぎ去った思い出の数々を美しい花に変え、愛する人に捧げましょう。
私の中のもっとも美しい花はあの方の瞳に見つめられてこそ咲くのです。
夜に来てください。太陽よ。
恋人はいつも無理強いをする。
試されるのは一回きりになさってくださいな。

愛する我が子に

あまりに広く捉えては愛する者が死する。あまりに狭く捉えては多くの者が死する。二つは一つの命です。
いずれも無くてはならないもの。いずこに行こうか、揺れるのです。
海よ。あなたを愛したなら、空に昇り、愛するものを潤しておくれ。
子どもたちよ。
私はあなたたちを愛している。
あなたたちはわたくしを愛しているのですか。
愛しているなら、きっと届くと信じているのです。
愛は打ち寄せる波です。
岸辺に幾度も口づけをしては去ってゆくのです。
岩に当たれば砕け散る。激しく、優しい営みです。
自らの心に問いかけなさい。
気づくだけで目覚めるのが真です。

恋人へ

恋人よ。夜がくれば隠れるのが習わしです。探さないで引き留めてください。
待ちなぞせずに、私が教えた秘密を解いてください。
あなたなら見抜くでしょう。恋心が誠なら、いとも容易く見いだすでしょう。
恋人の心にさえ気付かぬは誠ではありません。
ですから私はあなたにだけそっと打ち明けているのです。傍目を気になさらないで、いったい誰が気付くでしょう。
あなたにしか届かないのですから。
あなたのために摘んだ花々なのです。
しおるる定めの花でさえ、あなたの胸に抱かれれば永遠に咲き続けるのです。

自然からの贈り物

寄せては返す波に似てこの胸に去来するは、太古より来る愛の調べ。奏でておくれ恋人よ。
あなたのしなやかな指に爪弾かれたなら美しい歌を囀ります。
そっとですよ。
蜘蛛の糸は容易くきれます。風が吹くとあなたを思い揺れるのです。
太古より流れ来るあの懐かしい歌、よもや忘れになってはいないか。それだけが気がかりなのです。
未来永劫の時を超え、いつの時代にも歌いましょう。あなたとわたくしの懐かしの調べを。密かに。誰にも知られてはならない恋心を。
けれど愛し合う恋人たちだけは聞くでしょう。
太古から来る聖なる調べを。
聞いておくれ。
愛する人よ。